ツォルフェアアインを出て再びトラムと電車を乗り継ぎ、デュイスブルク北部にあるランドシャフトパークへ。
世界文化遺産に登録されガイドツアーも開催されているツォルフェアアインとは異なり、こちらは旧製鉄所の敷地が地元の人々の日常に溶け込む公園になっている。
そう聞いてはいたものの、実際に足を運んでみたら、自分が思っていた「旧製鉄所の利活用」の在り方とは全く違う空気がそこには流れていて、度肝を抜かれると同時に感動してしまった。今回のドイツ旅行で一番感銘を受けた場所かもしれない。
なんというか、非常に自由なのだ。
そこは「公園」なので、入場料もいらなければヘルメットもいらない。ガイドさんの後ろにくっついて歩く必要もないし、写真も自由に撮れる。危険のない場所であればほとんどどこへでも入っていける。
そういう自由がまずひとつ。
そしてもうひとつは、「旧製鉄所」という存在への感じ方の自由。
汚い、怖い、暗いといった「負」のイメージが背負わされていないのはもちろん、「マニア向けのスポット」という雰囲気もない。逆に、「世界文化遺産に登録された、歴史的に貴重な施設ですよ」というふうでもないし、「旧製鉄所を公園として活用するなんてかっこいい!!」みたいな気負いすらなかった。
ただ、工場を閉鎖したのでせっかくだから公園にしますか、というそれだけ。近所の人は敷地内を自由に散歩し、原料ヤードの壁を使ってボルダリングし、木陰でアイスクリームを食べている(私も食べた。なぜか知らないがドイツのキッチンカーで売っている”イタリアンジェラート”はめちゃくちゃうまい)。
日本で(なんなら台湾でも)数多くの旧炭鉱、現役の採石場、製鉄所、セメント工場などを見学させていただいて、そのどれもが貴重な体験だったけれど、ここでのたった半日で、「こんなところに入ることができる日が来るなんて、夢にも思わなった」という場所に立ち、めきめきと経験が上書きされてしまった。

公園入口に残されている警備員詰所。私は日本の工場で敷地外からこの位置で写真を撮り警備員さんに注意を受けたことがある。今日は自由に入れる。

敷地内は工場の施設がほぼそのまま残っている。





















原料ヤードでボルダリングする皆さん

手つかずで残されてるわけではなく、塀の上にも遊歩道が整備されていたり、階段で登っていけるようになっていたりする。



そしてこの溶鉱炉の周りには足場が組まれていて、展望台になっている。



足場を登っているあいだじゅう、「え、本当に……⁉」と驚嘆し続けていた。途中もいちいちかっこいいし。



製鉄所の溶鉱炉のてっぺんに立つ日が来るなんて。





それでもやっぱり、特別な気負いはなくて、「あの上、眺めがいいだろうから、展望台にしちゃおっか」とか、そのぐらいの感じなのである。ランドシャフトパークは。
いい空間だったなぁ。
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こちらの本を読んで以来ずっと心に温めていた旅です。
