偏愛トラベラー | 田村美葉

あちこち旅に行ってはいろいろなものを集めています。エスカレーターマニア。

フェルクリンゲン製鉄所

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ドイツ旅行5日目。

デュッセルドルフまでは八馬先生のモデルコースに従った旅だったが、レンタカーでのアクセスが必要ないくつかのスポットを飛ばして、ここからはユーレイルパスをフル活用していく。

 

デュッセルドルフから、ICと快速電車を乗り継いで、ドイツ南西部の街、フェルクリンゲンへ。

ローカル電車を乗り継いでいくルートもあるが、遅延の多いドイツ鉄道ではなるべく優先運行されているICに乗り、なるべく乗り換えの少ないルートを選ぶのが正解。ICの駅、マンハイムを経由して、まずはフェルクリンゲンのお隣駅、ザールブリュッケンへ。

フェルクリンゲンはかなり小さな駅で、ホテルはもちろん、コインロッカーも無いようだったので、この日はザールブリュッケンの駅前のホテルをとってあり、一旦荷物もそこに預ける。

 

各駅停車に乗ってフェルクリンゲンへ。

 

電車を降りるとすぐ目の前に製鉄所がそびえたっていて、テンションがあがる。フェルクリンゲン製鉄所は、近代の産業遺産として世界で初めてユネスコ世界文化遺産に登録された場所。ツォルフェアアイン、ランドシャフトパークとみてきたが、ここが一番規模が大きい。ほとんどすべての施設が残っていて、製鉄の全工程を追うことができる。

 

駅から徒歩でアクセスできるありがたい場所なのだが、日曜日だけど徒歩で向かっている人は他にいなかった。主要なICの駅であるマンハイムから2時間かかるからね……。

 

敷地エントランス前のモニュメント。

 

グラフィティもかっこいい。

 

このかっこいい建物がエントランスになっている。

 

エントランスロビーにカフェやお土産売り場もあり、チケットを買うことができるのだが、事前にネットでQRコードつきのチケットを入手していたので、チケット売り場をスルーしてしまった。

QRコードをかざしてさっと入ることができよかったとこのときは思っていたのだが、事前に買わず現地で買うのがおすすめである。なぜならチケットを買うときに、重要な全体マップがもらえて、説明もしてもらえるから……。これをスルーしてしまったがために、あとで盛大に迷うことになる……。

 

一応敷地内にマップも立っているのだが、これでは全然わからないのだ……。書かなかったけど、このエントランスにたどり着くまででも少し迷ったし……。

 

後々そんなことになるとはつゆ知らず、わくわくと企画展をやっているゾーンに入る。この日は、アフリカの人々と製鉄所とのかかわりのような展示をやっていたっぽい。しかし、ツォルフェアアインもそうだったが、場所自体がかっこよすぎてそれどころではない。

 

巨大な設備がどーんと残っていてテンションがあがる。空間演出の仕方がさすがドイツという感じだ。(だから迷うのだが)

 

2階に上がり、渡り廊下的なところを通って、高炉や熱風炉が林立するメインエリアへと入っていく。

 

鉄鉱石やコークスをトロッコを使って運んで、高炉で溶かして鉄にするよ、という図がわかりやすい。

 

製鉄のための設備がすべてしっかり残っている様子に感動しながらじっくり見ていったのだが、これ、実はまだまだメインゾーンではないのだ。そして、階が分かれているうえに順路もわからなくてすごく迷う。私が最初のマップ入手と説明をすっ飛ばしたせいなのであるが。

 

突然クリスチャン・ボルタンスキーの現代アート展示もあるし。

 

原料ヤード的なところにたどり着いて興奮しているのだが、これもまだまだ全然メインゾーンではない。

 

そしてひとしきり建物内を堪能し、外に出てみたらこの風景が待っていて度肝を抜かれる。

 

フェルクリンゲン製鉄所の中で私が夢中になっていたのは、トロッコによる原料運搬システムだ。ここのトロッコ、懸垂式なのだ。そして巨大な斜行レールシステムによってぐんぐん高炉の上まで運ばれていくのだ。かっこよすぎないか。

 

こんなのもうエスカレーターじゃん。

 

 

うーんすごく素晴らしい場所!

 

と、すでに非常に満足はしているのだが、このエリア手前にあるヘルメット置き場でヘルメットを受け取っているので、ヘルメットゾーンの入り口を見つけたい。しかし、ここまでそれらしいところはなく、入れそうな扉には鍵がかかっている……。一体どういうことなのか。

 

え、あれ?高炉のゾーンに入れるんじゃないのかな……?

 

いや!あの高炉の上のところに、黄色いヘルメットかぶっている人がいるな!あそこにはどうやって行けばいいの?

 

結局わからないままエントランスまで戻ってしまい、チケット売り場のお姉さんに「入り口に鍵がかかっていて入れないのだが、どうやって入ればいいのか?」とつたない英語で聞くが、「鍵がかかっているところには入れないよ……」(それはそう)という答えしか得られずすったもんだしたりした。

 

最終的に、最初にもらえるはずだったマップをもらい、丁寧に教えていただいてわかったのは、私が完全に勘違いしていて、大興奮していた高炉を見渡せるゾーンとは逆側に歩き、階段を登れば、ヘルメットエリアに入れる、ということのよう。たまたまヘルメットエリア周辺に案内の方がいなかったのもあり、全然わからなかった……。お姉さんに謎の食いつきをしてしまい大変申し訳ない。しかしあのまま諦めて帰らなくて本当によかった。

 

なぜなら、真のメインエリアはここからだからです。

無事入り口を見つけて裏側に回った瞬間、あ、ここからが本番だ……とわかった。

 

階段をどんどん登って、高炉のてっぺんを目指す。人用のエレベーターも動いていた。

 

そして、高炉と熱風炉が林立する樹海にたどりつく。

 

眺めもとてもよい。

 

 

ここでもレールがはりめぐらされていて、トロッコが大活躍している。

 

ここにもエスカレーター的な構造物があった。

 

自由に過ごすことができ公園としての役割を全うしていたランドシャフトパークも素敵だったが、製鉄の行程(とトロッコの働きぶり)をつぶさに観察することのできるフェルクリンゲンも素晴らしい。

 

フェルクリンゲン駅のホームに、またもトロッコ型花壇があった。流行ってる……?

 

そして、ここまで遅れる遅れると聞いていながらほぼオンスケジュールで乗ることができていたドイツ鉄道が、フェルクリンゲンからザールブリュッケンに向かう1時間に1本の各駅停車の便だけ、30分以上遅延していた。ICや快速よりも、各駅停車のほうが遅れることが多いらしい。しかも、日曜日なので夕方以降のICの便に満席が目立っていた。この日、可能ならスイスのバーゼルまで一気に行ってしまうプランも考えていたのだが、その予定だとたどり着けなかった可能性が高い。ザールブリュッケンに宿をとっておいて本当によかった。

 

以前なら電車の遅延などが起こるとアナウンスも聞き取れず次に来る電車の行先もわからずで右往左往してしまうのだが、ドイツ鉄道のアプリを見ていれば、リアルタイムで今どこに電車がいるのかわかるので何も困ることはない。結局、乗ろうとしていた電車の次の便が先に来て、それに乗ってザールブリュッケンに戻る。

 

ザールブリュッケンの駅前のホテルはそんなに選択肢が多くなく、この旅で一番ゴージャスなホテルだった。新しくてきれい。シャワーと洗面所とトイレが別のいまどきの部屋。

 

翌日の朝食もついていて、豪勢にいただいた。

 

ここでまたしてもドイツの食事事情について。

この日は日曜日で、メーデーにつづき、飲食店以外の商店が全て閉まっている日である。

ザールブリュッケンでは飲食店といっても駅前のショッピングモールに入っているのがほとんどで、そのショッピングモールが閉まっちゃうのでどこもやっていない。

そうなることを見越して、前の日にスーパーで食料を買い込んであったので、今回の旅から導入した「マルチトラベルクッカー」で簡単にあたためて夕食とした。

日本から、インスタントのごはんやスープ、コーヒー、お茶などを一通り持ち込んでいたのだが、ドイツのスーパーは日本とさほど物価は変わらず、インスタント系の食品も充実していた。

肉類の持ち込みが禁止なので、ごはんだけを持ち込み、それにかけるレトルトカレーは現地調達しようと思っていたのだが、お米を家庭で炊くのが当たり前の国ではないので、「レトルトカレー」というのはほとんど売っていなかった。逆にあるのは、お湯をかけるだけのインスタントパスタ(うまい)や、謎の平べったい缶に入った湯煎式のドライカレーやシチューなどで、それにはお米もついてくる(うまい)。

「クノール」のカップスープは本場なので日本には売っていない種類のものもたくさんある。お茶も、ハーブティーの種類が非常にたくさんあった。

現地の食べ物で胃腸がやられたり味覚が合わず困るというタイプでもないので、荷物を減らすために日本から持ち込んだものを消費せねばならず、あまり試せなかったのは少しもったいなかった。
円安時代の海外旅行は、いい「スーパー」と「コインランドリー」が近くにあるホテルを選ぶべきだな。

 

2025ドイツ旅行

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こちらの本を読んで以来ずっと心に温めていた旅です。