室蘭につづき、小樽で日本遺産「炭鉄港」をめぐる旅。
「炭鉄港めし」の「ぱんじゅう」というやつも食べた。
前回すでに訪問済みのものは飛ばしてるので先に写真だけ。
手宮線および付属施設。明治13年に北海道で最初に小樽手宮〜札幌間が開通。2年後には三笠まで全線開通して石炭などを運び、北海道開拓に大きく貢献した鉄道。
小樽中央市場。ここで魚などを仕入れた行商人が鉄道で産炭地へ向かった。ブリキ缶を背負ってたことから「ガンガン部隊」と呼ばれていたらしい。
「北のウォール街」と呼ばれたことで有名な色内銀行街。全国の金融機関の支店など20以上が集結していた。日本遺産に選ばれてるのは「旧三井物産及び旧三菱商事小樽支店」なのだけど、ちょっと写真がなかったので、これは旧日本銀行小樽支店(現在金融資料館)
あと、なぜか日本遺産からはスルーされてる国の重要文化財、旧日本郵船株式会社小樽支店も、前回ちゃんとは見なかったので行ってみた。修復中で入れなかったけど、この建物、小樽で一番かっこいいとおもう(だから重文指定されている)
旧 手宮鉄道施設 機関車庫3号
「炭鉄港」の公式サイトでは、Googleマップに登録施設をマッピングしてくれていて親切なのだが、それだけを頼りに行ってみたら、なんか柵に囲われていて入れないところにある…!と焦った機関車庫3号。実際には小樽市総合博物館の中にあり(というか、旧手宮線・手宮駅の構内敷地の中に博物館がある)、入場料が必要なのだった。なんだそういうことか、と小樽市総合博物館へ。
旧手宮線・手宮駅の全貌。港と直結していて、石炭積出に大いに活躍した。
かつて、機関車から船に直接石炭を落とし込むために設置されていた、手宮高架桟橋。やばい、めちゃくちゃかっこいい。大変残念ながら現存せず。
機関車庫と転車台、観に行きますよ。
博物館の建物裏手から、旧手宮駅の広い構内へと抜けられるようになっている。
これこれ。これがみたかったやつ!右側が機関車庫3号、左側が機関車庫1号。
そして転車台。
国の重要文化財にも指定されている。うん、かっこいいもんね!
機関車庫3号は現存する日本最古の機関車庫。
蒸気機関車の煙を排出する煙突がついている。
機関車庫の中には当時の車両を復元したものなどが展示されている。鉄道にあまり詳しくないものの、北海道らしい「第1号除雪車」とか、なかなか興奮する。
機関車庫1号は、右側の2棟部分のみが現存するものということで、よく見ると確かにレンガの色が違う。
機関車庫1号の中にいたのは日本で最初のロータリー車。回転式の羽根で除雪する。これもかっこいい。
そして外の転車台は、敷地内を走るSLアイアンホース号が動く時間に合わせて、実際に動くのである。大変気が利いている。
くるぞくるぞ。
きたー!!!例によって動画を撮ったりなんだりと忙しくしていてあまり写真がないのだけど、面白かった。
ところで、最初の(ちょっと見づらくなってる)重文の看板に、重文に指定されているものとして他に貯水槽・危険品庫があると書かれていたのだが、さて一体どれのこと…?としばらくウロウロして、機関車庫の裏手の鬱蒼としたエリアで見つけました。
これが危険品庫。
これが貯水槽。夏に来ると鬱蒼としているけど、かっこいいぞ。
博物館の外にも、例の超絶かっこいい高架桟橋への支線を支えていたという煉瓦積みの擁壁が残されていて、これも重文。道の脇のめちゃくちゃ見逃しそうなところにある。
北炭ローダー基礎
小樽市総合博物館(というか旧手宮駅)にほど近い港にある、現存する唯一の石炭積み出しの遺構。
現地の人でも、あの超絶かっこいい高架桟橋の遺構と思ってる人も多いらしいのだが、それとは別の、大型のベルトコンベア「石炭ローダー」の基部とのこと。
ホームセンターの駐車場から見ることができた。
これは思いがけず高架橋脚ファンクラブ案件なのではないか。
小樽港北防波堤
明治41年に日本初の本格的港湾整備として建設され、現在も現役の防波堤。
て、そんなの函館でも見なかったっけ。
函館自主コンクリートツアー(夏編)〜函館漁港船入澗防波堤・東本願寺函館別院〜 - 東京エスカレーター|田村美葉
(見てた。明治33年なので函館が先だった。「本格」なのが日本初なのか?)
パンフレットに書いてあったんだったか?なんだったか忘れたけど、これが良く見える場所として手宮緑化植物園を目指すのだが、道が通行止めとかで登れず、途中のよくわからないところから撮った写真。
一生懸命ここまで来たこともあって、「見えたー!!」と結構興奮して写真を撮っているのだが、いたって普通の防波堤である。ちなみにこの日の夕方、小樽港からフェリーに乗ったら超至近で見ることができたがそれはまた別の話。
小樽港斜路式ケーソン制作ヤード
「炭鉄港」は関係ないのだが、防波堤を調べていたら出てきた「小樽港斜路式ケーソン制作ヤード」を見に行く。土木学会選奨の土木遺産である。滑り台方式でケーソンを進水させた世界初の施設とのこと。
ふむ?
よくわからんので、隣の国土交通省北海道開発局小樽港湾事務所の中にある、「みなとの資料コーナー」へ。
あ、防波堤だ。
そしてこれが、「斜路式ケーソン制作ヤード」。
おお、これだ、これだ。
なるほど、あの台座っぽいものの上にケーソンを載せて、ズサーっと滑らせて進水させたんですね。
ケーソンの進水状況、ダイナミック。
みなとの資料コーナーは他にもなかなか楽しいものがたくさんあって、よい場所だった。
他の場所と違って小樽に来るのは初めてではなかったのだが、全くスルーしてた興味深いものをいろいろ知ることができて満足。