アメリカ最後の日。サウスウエスト航空の午前中の便で、シカゴからロサンゼルスへ。
日本に帰るのは深夜の便なのだが、午前中にLAへ行くことにしたのは、現代アートの美術館「The Broad」のエスカレーターを見る、という最後の目的のため。
調べたら、「The Broad」は入場無料の美術館だが、大変人気のため入場予約が取りづらいらしい。毎月決まった日に予約開始となる、ということで、待ち構えて予約をしてあった。
飛行機遅れたらどうしようとか色々考えてかなり余裕を持ったスケジュールになっている1日なのだが、かなり順調に進行した。
ロサンゼルス空港から市内へ
ロサンゼルスは、いちばん公共交通機関での移動がやっかいな街である。空港からメトロレールの駅までの無料シャトルバスがあるのだが、全ターミナルを巡回してから行くので、道路もめちゃくちゃ混んでるし、車内もめちゃくちゃ混む。
ついでに、ロサンゼルス空港には、テロ対策として荷物預かりやコインロッカーが一切ない。市内の駅や公共の施設にもコインロッカーはない。早めにANAの便にチェックインして、荷物を預けちゃう、という方法もあったのだが、サウスウエストのターミナルからANAのターミナルまで離れているのと、飛行機の中で使う荷物まで持ち歩くとなると、なかなか面倒(このあと行く「The Broad」は、小さな手荷物の持ち込みしか許可されていない)だったため、「Bounce」という手荷物預かり所の検索&予約アプリを使ってみることにした。空港近くには預かり所はないので、スーツケースゴロゴロさせたまま市内まで行く。
満員のシャトルバスですったもんだしながら、メトロレール Green Lineの駅へ。Green Line は高架鉄道のライトレール。
TAP card というSuicaみたいなやつにチャージして乗るのだが、アプリをダウンロードすればカードを買う必要がなく、しかも細かい単位でチャージできるので、必要額ぴったりの分を計算してチャージして使った(とても便利)。
シャトルバス降りたところ。
エスカレーターでライトレールのホームへ。
GoogleMapで調べたところによると、Green Line から、途中でSilver Lineに乗り換えて街なかまで出ることができる。Silver Line は電車かと思っていたら、メトロバスというバスだった。
Silver Line への乗り換え駅がめちゃくちゃかっこよかった。
デマケーションラインの付け方がすごく不思議。
エスカレーター降りたところがすぐバス停だった。わかりやすい。高速道路のインターみたいな感じになってて、ここから高速道路で市内まで行く。
すごく、LAに来た!て感じの道で楽しい。
グランドセントラルマーケット
Bounceで予約していた荷物預かり所は、グランドセントラルマーケットの中にある。バス停を降りて、登らなくていい坂道を登ってまた降りた場所にあった。LAのまちなかは坂が多いので注意である。
たくさんの屋台が集合しているフードコートって感じで、楽しい場所だった。
インフォメーションセンターにいた人にBounceで予約したんですが、と伝えたら、OK,OKと言いながら荷物を持っていってくれた。
いろんな屋台があったのだが、アメリカ最終日なのに日本食にすることにした。
安くはないが、ちゃんと美味しい。
Angels Flight
The Broad は丘の上にあるので、あの坂道をもう一度登るのかーと思っていたら、その丘を登るために、「世界最短といわれるケーブルカー」があるらしい。
グランドセントラルマーケットのすぐ目の前だった。
え、めっちゃ可愛いな。
ふもとの駅は無人駅。降りたところでお金を払う仕組み。ちなみにTAP cardで支払える。
とてもおもしろかったし、すごく楽だった。
ウォルト・ディズニー・コンサートホール
すごく道が広くて、空も広くて、LAだな!という感じの道を歩いたら、すぐThe Broadについた。
ただ、予約の時間が余裕をもって16:00だったのだが、このときまだ14:00ぐらいだったので、隣のウォルト・ディズニー・コンサートホールを見に行く。
フランク・ゲーリーのグッゲンハイム美術館、わざわざスペインに見に行ったんだけど、それとそっくりだな。
中は入れなかったけどちょっと覗いてみた。かっこいい。
超ゆっくり観察したけどまだ14:15ぐらい。仕方ないのでだめもとで「The Broad」の人に、時間まだ早いんですけど……と聞いてみたら普通に入れたので、いよいよ入っちゃいます。
ワクワク。
The Broad
そのエスカレーターというのがこれ。
今のところ、トンネル系エスカレーターの頂点では。これは、死ぬまでに一度は見るべきエスカレーター。
1階に戻ってきて、またひとしきり観察。エスカレーターは何回でも乗れますよ。
The Broadは、個人の現代アートコレクターによる美術館なんですけど、これが個人蔵っていったいどういうこと、というような豊富なコレクションで、おもしろかったです。
草間彌生の「鏡の間」という、一人ずつ中に入るアート作品も予約をしてあったので(これも時間早かったけど入れた)、堪能した。
日本へ
かなり順調にロサンゼルスでの予定を完遂できた。
ロサンゼルス観光といえば、というようなスポットはいっぱいあるんだけど、いずれも公共交通機関でたどり着くのがやや面倒なので、まぁいいや、空港行っちゃえ、ということで、グランドセントラルマーケットで荷物を受け取り、シルバーラインのバスに乗り、グリーンラインに乗り換えて、さらにシャトルバスに乗り換えて、順調に空港まで戻った。
順調すぎて空港でかなりの時間を持て余した。アメリカの空港は保安検査後のスペースがとても充実しているので、困ることはない(ただし物価は高い)。どの店も高いので、結局、相対的に安くて安心のパンダエクスプレスで夜ご飯。いろんなソファ席を試したり、リラックスできる服に着替えたりして、ようやく日本行きのフライトに乗る。
3人席で、1人だけど絶対窓側派の私の隣には、年配のアジア系のご夫妻が座られていた(パスポートからアメリカ国籍のご夫妻)。このご夫妻、子どもというよりもはや孫を見るような優しい視線で挨拶をしてくださり、今から家に帰るの?アメリカはどこに行ってきたの?どこが一番楽しかった?というような、わかりやすい英語で質問をいろいろとしてくださった。食事のときやトイレのときもめちゃくちゃ親切にしてくれて、あまりにも親切なのでCAさんは3人グループだと勘違いしていた。日本で乗り換えてインドネシアまで行くのだそうで。
羽田に着く直前、これから乗り換えて福岡まで行くのよね、そうなの何時の便?えっと、わりと、すぐなのよね……!!(ちょっと飛行機遅れたので乗り換えタイム60分ぐらいだった)という話をしたら、マジかよ、急げ急げ、て降りるのまで手伝ってくれた。
Visit Japanを登録しておいたおかげで、入国審査やら税関やらを光の速さで通り抜けることができ、国際線ターミナルから第2ターミナルまでのシャトルバスにダッシュで乗ったが、早朝で空港が大変空いてたせいもあって余裕の搭乗だった。福岡空港から家までは30分でつくので、余裕の帰宅。
……というわけでやっとアメリカ旅行記が終了したが、トラブルにも全く遭わず、ほとんどの目的を達成することができて、よい旅行であった。私はたぶんエスカレーターを好きにならなければこんなにいろんな場所に行ったりすることもない、本来出不精の性格で、いつも大きな旅行の前には「……行くのやめようかな」ってちょっと思うくらいナーバスになるのだが、今回もたくさんの知らない素敵な場所に連れて行ってくれて、エスカレーター、ありがとう……という気持ちである。
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