まずニューヨークに関する誤解を解く。
ニューヨークというのはマンハッタンという島がメインで、その島はほぼ碁盤の目状に道が走っている、だけでなく、南北のアベニューと東西のストリートが数字でMoMA=5番アベニューの53ストリートなど、数字さえ覚えてれば誰でもその場所にたどりつける。かなり合理的。同じ碁盤の目の京都の宇治上る下るみたいな門外漢お断り的住所とはちがう。なんというか日本人の心の機微とかアメリカ人にはわからんわけだと思ったりはした。したけど、英語を少しでも覚えれば、誰でも受け入れ可能な魔法の都市であることに間違いはない。東洋人がのこのこ歩いてても完全に無頓着な都市はヨーロッパにはない。
しかし私が完全に誤解していたのは自由の女神がある場所。
私の脳内ニューヨーク地図は完全に西と東のふたつの島があって、その真ん中に自由の女神佇むStaten Islandがあるというものだ。たぶん真ん中をつないでいるのはブルックリンブリッジ。
たぶん「ふたつの卵型の島が向かい合って並んでて、毎日川の向こう側から昔の恋人を見てる」ていう、グレート・ギャツビーによる刷り込みが強すぎた結果である。
実際のニューヨークはこう。
真ん中の緑のところがマンハッタン。東京でいうと山手線内。
その上がブロンクス。東京圏でいうと埼玉。
ピンクのところがブルックリン。東京でいうと三鷹吉祥寺。
でオレンジのところがクイーンズ。さながら千葉。クイーンズやブルックリンには地下鉄線が続いててそのまま地上を走る。
ブルックリンとクイーンズを含むながーい島がその名もロングアイランド。
私が1週間過ごしたのは赤丸の場所、クイーンズよりさらにロングアイランドを郊外に進んだ街。しかしロングアイランドにはLIRR(Long Island Rail Road)という快特電車が24時間走っているのでほとんどまったく交通の便には困らない。マンハッタンには45分で辿り着くので完全に通勤圏内。
いちばん下がStaten Island。たぶん群馬。Staten Islandにはマンハッタン南端からフェリーが出ていてこれがまたばかでかいフェリーなんだけどなんと無料である。通勤や通学や買い物の足として毎日乗るからだろうか。でも私が乗った日は日曜だったので観光客でいっぱい。なぜならば、このフェリーの行く海の真ん中に、自由の女神が建ってるからだ。地図の青丸の場所。
そして自由の女神、その驚愕の立地
やや逆光で遠いですが、見なれた姿。
引きで見るとこのくらいの距離感。
もちろん、ちゃんと有料の観光フェリーに乗れば、自由の女神が建ってるリバティ島上陸プランになっているわけだが、私はこっちのStaten Islandにきてほんとによかった、なぜならば。
マンハッタン南端から自由の女神を見た場合、ハドソン川を越えてニュージャージー州のキリンさん地帯が完全に入り込むからだ。なにこれ超かっこいいじゃん女神よ!
工場ビュー堪能の女神クルーズ
そんなわけで女神そっちのけでニュージャージー工場地帯にどれだけ寄れるか試す私。
キリンさんもいっぱい。
そして団地。
さいごにまた戻ってきてマンハッタン南端の経済中心地と
ブルックリンのいますぐレゴで作りたくなるような街並み。
やぁなんて愛嬌たっぷりなビル群なのでしょうか。
(つづく)