「エレベスト」という素晴らしい本や「非常階段東京」という素晴らしい本が出て私は焦っている。前々から、デイリーポータルZにエスカレーターの記事を書くのは私しかいないと思っていたが、このままではいつ誰に先を越されるかわからない。
というわけで今回はいつもの気ままな鑑賞を極力デイリーポータルZ風でいきたいと思う。
何故、エスカレーター?という当然の疑問をお持ちの皆様にはまずはこの写真だ。
どうよ。
有楽町マリオンで映画を観終わったときに、ちょっとエレベーター混んでるからエスカレーターで降りようかーと気軽に向かった先に現れる絶景である。えー、ここ11階だし、エレベーター待つほうが結局早いよー?と言われてしまうため常に適度に空いていることもポイントだ。
ポイントだ、なんつっていつの頃からか、たぶん上京2年目くらいからか、気づくとエスカレーターの写真ばかり撮っている。写真を撮らない時もエスカレーターに乗って浮かれている。
エスカレーターが好きだー!(たまたま旅行の写真の中から見つけた)
エスカレーターというとエレベーターよりもラグジュアリーな存在で地元金沢市にはデパートくらいでしか見かけない。
つってもそのデパートのエスカレーターが結構素敵だったり。
東京で田町なんていう牧歌的な名前の駅にエスカレーターが左右、前後に4つも設置されていたりすると、都会を感じる。
生き急ぐ都民の足、エスカレーター。立派だ。
県庁所在地なのにエスカレーター無い駅だっていっぱいあるのに。富山とかさ。
若干の羨望と限りない愛をこめて今日は東京でも素敵エスカレーターの集まる激戦区、丸の内より誰が見ても素敵だ!と思えるエスカレーターをお届けしたい。お届けできることを願いたい。
まずは東京新名所、新丸ビル。数年前に建てられた丸ビルとは異質の空間センス。高い天井に粋な照明、そして玄関正面の美しいエスカレーターに皆がオオ!と思っているのが伝わってくる。やったじゃないか、エスカレーター。
とにかく混んでいるのでそそくさと撮ったが、こんな曖昧な構図でも素敵。
エスカレーターが市民権を獲得の図
裏手の入り口にも、ひっそりと長尺エスカレーターが。ひっそりとか、一人乗りとか、長い。とかに興奮してしまう。
これは通向きだったか
続いて東京国際フォーラム。
この素晴らしい骨組はたぶんエスカレーターだ
このエスカレーターらしきものに登ろうと思って中にまわろうとすると、チケットの検閲があって入れない。外から見ても十分美しいのだけれどもしかしたら単なる長い階段かもしれないし、全く意味のない空間かもしれない。「これはきっとエスカレーターに違いない!」と想像して楽しむ、上級者向けエスカレーターになっている。
これもきっとそうだ
なんでしょう、東京国際フォーラムを作った人は変態ですか。
どんどん行って次、国際フォーラムの隣にあるTOKIAビル。オフィスビルがメインで人が少ないがエスカレーターはなかなかの見ごたえが。
オシャレだ
スペースマウンテンとかの入り口につながってそうだ
最後に丸の内OAZO。このビルを造った人はかなりエスカレーターの正しい使い方を弁えてらっしゃる。
下から見ても
普通に乗っても楽しい
あ!あんなところにもう1基発見!
長さがすごく短いうえに、どう見ても遠回りな位置にあるため全然意味がわからない。誰へのサービスだ。
こういう、誰も使わなさそうな、取り立てて意味のなさそうなエスカレーターを集めるのも楽しいかもしれない。
夢が広がる。
たぶん。