KADOKAWAよりお声がけをいただき、このたび本を出版することになりました。
エスカレーターの本ではなく、2年ほど続けていた旅行情報ブログ「できるだけがんばらないひとりたび」の本です。
Amazonで予約開始となりましたので、ご興味のある方はぜひお読みくだされば嬉しいです。発売日は、2018年4月20日です。何卒。
【本書の主な内容】
第1部 ひとりたびをする前に知っておきたいこと51
・パックツアーをなぞってひとりたびをしてみる
・普段用と旅用、同一のセットを2つ持つ
・旅の準備は2日前からするのがちょうどいい
・なくすと凹む「お気に入り」を持っていかない
・旅先で「新しい自分」に出会おうとしない など
第2部 できるだけがんばらない「ひとり旅エッセイ」
・初めてのひとり旅はキューバ
・グルメ一切無視の大阪旅行
・誕生日に泣いたソウル
・東京の毎日を楽しむ など
できるだけがんばらないひとりたびとは
これまで、世界の素敵なエスカレーターを見に行ったり、いろんな船に乗ったりするために、海外、国内のいろんな場所を旅してきたのですが、どちらかというと私は旅が苦手です。
ブログでは、「飛行機のチケットってどうしたらもらえるのか」とか、「ホテルのチェックインのときってなんて言えばいいのか」とか、「東海道新幹線の切符はどうやって取ればいいのか」というような、基本的だけど旅をするようになるまで知らなかったいろんな情報を、なるべくわかりやすく書くことを心がけてきました。
私のように「初めての場所に行くのが常に不安」であったり、「知らないことが不安」だったりする心配性な旅行者のひとのことをいつもイメージしています。
この本の第1部では、そういう「心配性トラベラー」の人の背中を押すような内容を目指しています。
旅の失敗談がたくさん詰まった内容となっております
第2部では、旅のエッセイを書くことになって、すごくはりきってのぞんだのですが、いわゆる素敵で小粋な「旅エッセイ」を書こうと思うと、私にはご紹介できるエピソードがひとつもないぞ……ということに直面しました。いつもエスカレーターとか無機物とかを見つけてひとりで興奮する、というような旅をしているもので、現地の人とのコミュニケーションだったりとか、異文化体験だったりとか、しないんですよね、旅先で。「じゃあ、一体、旅先で何をしているのか?」という話を、印象的だった旅行先でのエピソードを中心にまとめました。ちゃっかり、船に乗ったりエスカレーターに興奮したり(スパイラルエスカレーター紹介ページが見開きカラーでついてます)のエピソードも入れましたが、基本的には、キューバで詐欺師に追いかけられたり、ソウルでひとり焼肉を断られたりといった話がメインになりまして、こんなに失敗ばかりの旅エッセイもなかなか珍しいので、おもしろ失敗談として楽しんでいただけるのではないかと思います。
初めての本を出すにあたって、担当していただいた清水さん、それに編集協力の川田さんに大変助けていただきました。いつも、「どうして本を出す人は編集者のひととか、いわば身内への謝辞を本にわざわざ載せるんだろうか」と思っていましたが、感謝せずにはいられない気持ちがわかりました。本当にありがとうございました。
自分でも発売日をとっても楽しみにしております。
「誰も観光しない場所」を観光しているとき、私はすごく自由を感じました。
誰からも「そこに行くんだったら、こうしたほうがいいのに」と言われることがなく、
「この場所の楽しみ方は、私が一番よく知っている」と感じることができたからです。
そうやって自由に自分なりの楽しみ方で観光をしているうちに私は、
「旅に“こうしなきゃいけない”なんて決まりはなかったんだ」という
当たり前のことにようやく気づきました。―「はじめに」より