エスカレーターマニアの移動の記録

エスカレーターマニア。船に乗る人。原付で旅をします。

大航海時代の息吹を感じるLost Riverめぐり

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いきなりアフィリエイトからはじめるが、今回新しく買って行った電動ズームレンズがすばらしくよい働きをしてくれたので、ねぎらいの意味をこめて。

 

 

 

いきなりねぎらってるのは、この日ロンドンは本当に1日中冷たい雨で、そんななかカメラほとんど首からさげっぱなし濡れっぱなし、途中でレンズ蓋なくすわ、レンズフィルターとレンズの間が結露するわ大変なことになりつつも、クリアな画質を維持してくれたE-P1とこのレンズに感謝しきりなのである。いやほんとは今回の旅行でもし壊れちゃったらOM-D買うんだーと思ってたんだけど、防滴でも防塵でもないのにE-P1は現在も元気いっぱい。

 

でもOM-Dはやっぱりほしいです。

 

3回目のEarl's Courtの駅前でバス停をみると、目的地のVictoria Stationまで行くバスがあったのでそれに乗り、ゆっくり移動。Google MapはLondonのバスに完全対応していて、経路検索をするとバスルートも示してくれるのだった。はやく気づきたかった。

 

Victoria Stationからナショナル・レールのタワーブリッジ行きに乗る。ナショナル・レールは新幹線と同様、到着直前に何番線に電車がつくか表示するシステム。それまで改札前でおとなしく待つ。Oyster Cardで乗れる。

 

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Victria Stationはこんな感じの乗っかり建築

 

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ファサードがけっこうかっこいい

 

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古い部分がちょいちょい残っている

 

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改札を探したら、みんなこの電光掲示板の前でホームが表示されるのを待っていた。

 

快適な車内、左側を陣取って、テムズ川を超えたところで、Battersea発電所が見えた。建築マップさんのサイトでみていたのだが「きっと遠いんだろう(川崎の工場的な)」とおもって場所すら調べてなかったので予想外。ナショナル・レールは、駅につく直前の徐行運転でゆっくりゆっくり発電所のすぐ横をなめるように進んでくれるので、全景をみたいなら案外これがオススメの方法かもしれない。

 

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やっぱ猛烈にかっこいいです。バターシー発電所

 

テート・モダンの前身、バンクサイド発電所と同じ、石炭火力発電所だが、ロンドン市街地ど真ん中、テムズ川のほとりにこんな巨大な施設が2つもどーんと残ってるって、けっこうすごい。東京で言うと隅田川沿い、両国と築地の対岸にそれぞれ赤レンガ倉庫が残ってるイメージ(てきとう)。さすが産業革命の街ロンドンである。

 

Batterseaの近くには、ガスタンクの残骸かあるいは作りかけみたいな巨大な円筒の檻みたいなのがある。これ昨日のGrand Union Canalの近くでも見かけたがなんなんだろうか。

 

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ガスタンク?

 

やってきたのはPeckhamという街。これまで観光客は行かない地元のひと向け繁華街のようなところ(吉祥寺、下北沢的な)にばかり行っていたのだが、これは完全に地元のひとの居住区である。かっこいい図書館があって住みやすそうな街だが、ホテルのあるケンジントンと比べたら確実に柄はわるい。世田谷区VS足立区ってかんじ(足立区のひとごめん)。ロンドンって、隅田川の西と東同様、テムズの北と南でかなり格差があるのだ。江東区の私にとっては南のほうがなじみ深い感じではある。

 

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かっこいい図書館

 

で、その図書館のすぐ脇から、みるからにあやしい緑道がのびているのだが、この道がその名もずばり、Surrey Canal pathという、元運河の暗渠である。

 

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ちゃんと「暗渠です」って表示もでてる。

 

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だいたい綺麗な公園の緑道っぽい感じだが

 

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レンガの土手や橋が残っていて興奮。

 

橋っぽい構造物はそのまんま、川っぽい造形がいたるところに残っていてとってもおもしろい道なのだが、雨&足立区の月曜日なので、暇そうなあやしいおっさんに声をかけられたり、子どもを連れたお母さんに不審げにみられたりとそれほど居心地のよい感じではなかった。しかしそれも含めて、我らが江東区の「親水公園」とすごく似た感じで、こういう光景って世界中どこでもいっしょなんだナァと感慨にふけったりする。

 

大通りに出たところで、また来たバスにとりあえず乗ると、超でかいジャスコ、じゃなかったCOSTCOの隣に出て、おおまさにここは亀有、なんて思いながら、そこから今度は観光地どまんなか、Tower of Londonまでバスで。ダブルデッキがやってきて、俺の特等席でTower Bridgeを渡ることができて最高である。超雨だけど。

 

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Tower Bridge は大昔にのぼったことがあるけど、バスで渡るのが最高だ!!

 

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どどん。よく考えたら立派な跳ね上げ橋で超ドボク。

 

Tower of London, Tower Bridgeすぐ脇にある、St Katharine Docksの現在も動いている可動橋群を観察に(例によってネタ元は建築マップさん)。が、そこは今度は逆に足立区から一転、田園調布(行ったことないけど)みたいな超高級住宅街エリアで、警備員さんがしっかり立っていて、私の一挙手一投足を明らかに監視している...!だってね、このSt Katharine Docksは、可動橋と閘門を利用して、テムズ川にそのまま出ていける現役のマリーナなのだが、並んでいるのは夢の島マリーナも真っ青の大型ヨットに大型クルーズ船。その持ち主が住んでいるとおぼしき住宅が、ぐるりとマリーナをとりかこんでいるのだ。うっひゃあ。ロンドンの富豪というより世界の富豪が集まっちゃってるんでは。

 

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大型マリーナを要する超高級住宅街のど真ん中

 

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小さな跳ね上げ橋がたくさんある。とか言ってる場合じゃない雰囲気。

 

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うひゃあ。

 

可動橋群を撮っている分にはとがめられなかったのだが、「通行は住民の好意によって許可されている、いろいろ空気読むように」みたいな看板が出ており、「さっきの女、そっち行ったぞ」みたいなことを(たぶん)無線で連絡しあわれている。そそくさと抜けだして、雨でだいぶテンションが下がってきたので近くの大型スーパーに。なんというかそこが、今回の旅行で最大の「高級」体験だった。単なるスーパーだし値段もフツウなんだが、来ているのが全員どうみてもお金持ちマダム。空気がちがうのだ。イートインコーナーで、サラダバー&パンとカプチーノで簡単にランチ。サラダバーとかふつうにあるのがさ、ほら、足立区とはちがうだろう、どう考えても。しかもとてもうまかった。

 

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スーパーのイートインコーナーとは思えないこの雰囲気の良さよ。

 

そこからさらに東側に足をのばすと、ロンドン暗渠マニアPaul Tallingさんオススメの、London Docksの遺構である。こちらはテムズとの入口は閉じられていて、船はもう行き来をしていない。

 

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素敵な運河と、元倉庫とおぼしき建物がいっぱい並ぶ。

 

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マラソンしてる中年男性がいっぱい

 

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倉庫群は今は住居として使われているっぽい

 

英語なのでまだちゃんと読んでないが英語のWikiの当時の絵をみてるだけでも超たのしい。その昔、大航海時代に、テムズ川だけでは手一杯になって水をひいてきて作られたDockだということなんだが、テムズ川が手一杯になるほどの船が行き来してたことを想像するだけでなんか興奮する。周辺は現在、止まってる車などから察するにやはり相当の高級住宅街になっており、ドック脇の歩道は月曜のお昼というのにストイックな中年男性たちがひっきりなしに走りすぎるマラソンコースだった。このひとたちはいったいなんの仕事をしてるんだろうと不思議だったんだが、明らかにサラリーマンではないんだろう。投資家...?しかしDock含めて当時の街並みがもろにそのまんま残っているここは、ロンドンのどこよりも大航海時代の名残を感じる場所として、超オススメだ(住宅街なので空気読む必要はありますが)。

 

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どう考えても元水辺っぽい公園

 

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抜けると、奇抜な住宅がまわりを囲む広い水辺に

 

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真っ赤な片側跳上橋!かわいい!かっこいい!

 

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雨の中ひとり大興奮

 

Wapping Woodsというあやしい公園(どう考えても元水辺)を抜けると、広い水辺にでて、ものすごくかっこいい真っ赤な片側跳上橋がいくつか架かっている。その先、テムズに通じる閘門はいまは閉じられていて、カヤック練習場としてつかわれていた。こういう小さな運河からやってくるとテムズ川の堂々たる流れはもはや海。ここから世界へと船が出ていったのだナァと感慨しきり。

 

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閘門の中で子どもたちがカヤック練習してるいい風景

 

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その先は今閉じられているが

 

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テムズ川に通じてる!

 

跳上橋近くのバス停からまたバスに乗って、DLR線のLimehouse駅へ。DLR線、なんか地下鉄と違う色のマークがあるなぁと思ってたんだが、地上をゆく自動運転の乗り物だった。2駅堪能して乗り替え、Angel駅へ。

 

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DLRは自動運転!

 

Angel駅のエスカレーターはなんか長いらしいということで、この旅の隠れ目的地2だったんだが、結論から言うとそれほどでもない。それより、ロンドンの地下鉄駅のエスカレーターというのはどの駅もかなりシステマチックにつけられていて、つけられる幅に応じて、上下2線、それより少し通路の幅があるときは真ん中に階段、さらに広いときは3基並列、と増えていく。そして地下鉄ホームと同じで通路はほとんどの場合、天井がトンネル状にカーブしている。なのでとっても素敵なのだが、どの駅もほとんど同じ造形なのだった。

 

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Angel駅のエスカレーター。まぁまぁ長い。

 

そして、ロンドンの煉瓦の高架にはじめ感動していたのだけど、これも、古い高架で残っているところは、ほとんどが同じ造形。アーチ状の橋脚の間を高架下建築で利用するのもどこもいっしょ。

 

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煉瓦の高架もかなり見慣れた

 

ついでに、ロンドンの建物は住宅も店舗もやっぱり同じ造形になっていて、住宅であれば前庭になる部分に、張りだし屋根を作って店舗化する。

 

ロンドン中心市街から郊外にいたるまで、ぜんぶ同じユニットで、誰かが上からロゴを組み立てるみたいにパーツを配置していったみたいにできていて、興味深かった。

 

で、Angel駅。すぐ近くに、Grand Union Canalが途切れている場所がある。行ってみたら、とぎれてるんじゃなく、暗渠化しているんだった。Angelのあたりは徒歩でもかなりの急坂なので、その高い丘をぶちぬいてるのである、このcanal。Grandいうだけのことはある。すげぇ。トンネルの前に看板があったので、「この先立ち入るべからず」的ことが書いてあるとおもったら、「注意して進め」と書いてあるんだった。素敵だナァ。

 

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公園の入り口みたいなところを抜けると

 

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Grand Union Canalの脇道へ

 

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トンネルの入り口があった

 

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注意して進めの看板が出てる

 

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雨で見づらいけど地図もあって

 

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どのように船を管理すべきか、みたいな内容がちゃんと書かれている

 

ロンドンの運河は、British Waterwaysという組織(?)ができて、なんか機能的に管理しているっぽい(例によって英語なんでちゃんと読んでない)。そのへんに無造作にとまってるCanal Boatも、月極いくらだかときまってるらしく、船の旅がかなり快適そうだった。俺、大金持ちになったらロンドンの運河で船で生活するんだ...。

 

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ちょっと待ってたら仲良しのおっちゃん2人の乗った船がきて

 

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仲良く去っていった。手を振ってくれたのでもう少しで「乗せてくれないか」と交渉するところだった。いやすればよかった。

 

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ちょっと先にはすっかり見慣れた手動閘門がある

 

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水位が保たれているので水辺の建物がびっくりするほど水面スレスレ

 

素敵な雑貨と蚤の市の本に載ってた店はのきなみ休業中だったが、運河だけでおおいに満足して、またバスでロンドン中心市街地へもどる。

 

いま書いていて判明したことには、オックスフォードで買い物したのは23日ではなくこの日だ。夜ごはん食べ損ねてホテルに帰り、そのまま寝たので記憶がない。