8月からスタートしたADDress利用の多拠点生活だけれども、今はもうほぼ完全に、ADDressの拠点のみで生活している。これが噂のアドレスホッパーというやつだけど、想像していたより、ずっと普通。
正式サービスインおめでとうございます
よくあるゲストハウス泊まり放題のサブスクリプションモデルと大きく違って
・各拠点に個室があって
・荷物を置ける固定の拠点も持てて
・各拠点の家守さんや、会員さんに顔なじみができる
ADDressだからこそかもしれない。
今日、茅ヶ崎の拠点でお話ししてて思ったのは、「最近、全然無理してないなー」ってこと。起きたいときに起きて、寝たいときに寝て、やりたいことをやってる。
いや、ADDress暮らしをするもっと前から私は社内で例外的にリモートワークを認められており、その前提があってこそのアドレスホッパーなわけではあるのだけれども、ずっと家にいて、家で働いてる時って、「家にいますけど、ちゃんとやってますよ」っていうアピールを、誰ともなくしてた気がする。家にいますけど仕事してますし、家事もちゃんとやってますし、毎日充実してます、私は、がんばってますよー!みたいな。でもそれって全然必要なかった。
※なんで私がこんな風にめんどくさくがんばってしまうのかについてはこのあたりに書いてある。そういうの一切ないから全然わかんないなーという人も当然いるであろう、私はそうだった、というだけ。
拙著『できるだけがんばらないひとりたび』にも書いた通り、「旅行」というとどうしても、コスパの良さを競いあうゲーム、のように感じてしまっていたところがあったのだけど(上記の通り、私が面倒くさい性格だからですが)、ADDressの拠点を渡り歩くのは「旅行」じゃない。拠点の中からなんとなく行き先を決めて、その周辺でなんとなく興味をひくものを探して、学校が終わったらランドセル放り出して遊びに行く小学生みたいに、仕事をちゃっちゃと終わらせて遊びに行く。
伊那拠点から 「登山と言わないまでもハイキングとかしたいな」と思って行ってみた駒ヶ岳「千畳敷カール」
三好拠点で「近くに船に乗れるとこないかな」って調べたらあったので行ってみた四国の秘境、吉野川「大歩危峡」。
その時期なんとなく北海道の拠点にいる、て言ったら教えてもらったツアーで行った空知川下り。赤平に炭鉱の興るきっかけになった露頭炭、かっこよかったなー。
がんばって働いてお金を貯めて、がんばって休みをもぎとって、がんばって宿と飛行機を手配して行く「旅行」って、やっぱり目的や意義や効率を考えちゃうけど、移動すること自体を生活にしてしまえば、何か起きても、何も起きなくても、どちらでもいい。明日はどうしよっかなーって、ただ毎日ワクワクしてる。
だいたい3,4日滞在して、お礼を言って、移動して、ということをやってて思うのは、仕事や生活のあらゆるストレスは、それが「毎日続くもの」でなければ全然平気ということ。田舎に拠点があるので、ここはめっちゃ虫が出る、みたいなところもあるといえばあるんだけど、それも含めてそんなもんだとわりきれる。所有するものがないから生活の豊かさを人と競うこともない。職場も住処も「ずっとそこにいるため」の工夫や我慢や「がんばり」だったんだなー、て、何にも縛られなくなってから気づいた。
正直言って、何かその地域に貢献したりとか、人と出会ったりとか、なんだかんだ…と最初は結構まじめに「多拠点居住でがんばる」ことを考えていたのだけど、始めてみたら、ただただ誰のためでもない、究極に自己本位な「がんばらなくていい」暮らし方が、ここにあったのだった。