パリ初日、いきなりだがこの日はサン・マルタン運河のクルーズを予約している。私はなにかっちゃあパリにきているので、2006年の初訪問から数えて4回目なのだが(行きすぎだ)、今回は、「シャルル・ド・ゴール空港のターミナル1から帰る」 という目的だけになぜか3泊する予定。パリでもセーヌ川あたりクルーズできたらいいなぁと思っていたんだが、「地元っ子のあいだではサン・マルタン運河が熱い」とこれもガイドブックに書いてあり、その運河、ふつうの観光船の定期クルーズがあるということ。
そもそも、バスティーユ徒歩10分の場所にホテルを決めたのも、バスティーユ前からサン・マルタン運河までつづく大通りが、見るからにアヤシイからなのだ。通りの真ん中に緑道がつくられていて、そのまま直線でつなぐと、サン・マルタン運河がセーヌ川に流れ込む、その導線になってる。こりゃあ絶対暗渠だな、と思ってたんだが。
この道。どう考えてもあやしい。
サン・マルタン運河のクルーズは、Paris Canal と Canauxrama (カノラマ)の2社があって、 Canauxrama はバスティーユ発なんだが、「人気がある」というほうの Paris Canal はなんと、セーヌ川のオルセー美術館前から始まっている。って、ことはだ。バスティーユのこの暗渠を絶対に通るってことじゃないですかー!マ・ジ・で・す・か!
これがそのコースです。超楽しみ〜〜。
クルーズは午後の便、ヴィレットのほうからオルセーのほうまで下るコースなので、午前中はまず徒歩で運河の構造物チェック。地図上サン・マルタン運河が「始まる」地点まで行ってみたんだが。うむ、やっぱり、この通りの下、トンネルになってる!!は、いいとして。いきなりロック・ゲートがお出迎えであった。しかも、2段式のやつ。
ロンドンのGrand Union Canalと同様に、パリのサン・マルタン運河も、セーヌ川からスタートしてひたすら丘をのぼっていく。よって、ロック・ゲートでどんどん水位を変えて進むのだ。すごいシステムー。それと、このコースを定期便にしてくれちゃってるのが素敵すぎるー!
ふあーしかもこの先暗渠化してる。ここを進むんだよね。そうですよね。
2段目のほうは、歩道スレッスレの水位。ロックゲートを信頼してる感。好き。
「アメリに出てきた運河」とかいうからすごく油断してたじゃないか(なぜ)。ロックゲートなくても運河自体もいい。好き。近所に欲しい。
2箇所目のロック・ゲート地点には、橋がかかっていて、この橋も船がくぐれる高さにはないのだが、どうするかというと、これ、回転させちゃうのだ。ぎゃおーす。
と、ちょうど船がやってきて、回転橋スペクタクルと2段式ロック・ゲートスペクタクルを観察できることに!わーい!
あいたー!
入ってきたー!幅ぎりっぎり。
水位あがってきたーー!
2個目に進んで。
うわーそんなかぶりつき席があるんだ。私も後で乗るから〜!
ひとしきり堪能して、さて買い物でも、と思ったのだが、ガイドブックに10時開店とあったこのすぐ近くの素敵な雑貨やさんが11時開店でまだあいてない。諦めようかと思ったが、向かいのカフェに入って待つことに。ロンドンのPubと勝手がちがって、給仕さんが必ずききにきてくれ、支払いも席ですませるシステム。とてもおいしいホットショコラをいただく。
そうこうしてるうちに雑貨屋さん開店。ここはものすごくいいかんじだったので女子にもすすめておきたい(なんて店だったかさっぱり覚えてない)。
地下鉄で乗り場の最寄駅へ……行ってもよかったんだけど、運河がちょっと広くなってる地点が気になったので、少し手前で降りまして。
降りるとこんな。パリの建築はちょっと気を抜くとロココ調に取り込まれる感じがおもしろい。そしてロココ調は日本の少女にとっては「お姫様」の世界として大変に馴染み深い存在。
そして運河近くまでやってくると、どうも気になる引き込み線跡みたいなものもありつつ
運河の周りは映画館があったり、かなり大規模に再開発された感じの気持ち良い公園になってました。 ラ・ヴィレット貯水池というところらへん。
そして運河沿いにいい感じのレストランがあったので、ランチをいただくなどしている。なんだこの旅、優雅だなー。写真見てめちゃくちゃ美味しかったことを思い出した。パリはふらっと入ったところでも大体食べ物が美味しいので嬉しいですよね。
一応テラス席で、一応運河ビュー。
そしてロンドン同様、そのへんに泊めてある船がだいたいカフェとか本屋さんとかイベント会場とかになってます。
貯水池沿いにホリデイインがあって、次回パリに来たらここに泊まろう〜って思ったりしていた。
てくてく歩いて、またあやしい構造の橋を見つける。これはどんなふうに動くんだろー。
うっわー持ち上がった!
そして、Paris Canal の船が通っていきました。あれ、私が乗るやつかな。それにしても高さもギリッギリですね。完全にこの運河のクルーズのために作られてる船です。
橋がもどって、何事もなかったかのように動きだすひとびと。いいなぁ。横浜にも1箇所ぐらい可動橋あればいいのに。
さらにてくてく歩いて、さっきより大きな公園に、Paris Canalの船がとまってました。
ここの先は、なんかこんな感じだったので、あ、終わりだな、と思って散策を終了したのだけど
あとから船で見てたら、ここも動かしてたよね。ぜんぜんこの先も続く気満々の水路でした。
ほとんど一番乗りでついたので船内探検。
ほとんど一番乗りでついたので船内探検。
無事、かぶりつき席をゲットでき、出発です。
さんざん予習したのでコースばっちり。ラ・ヴィレット貯水池を抜けてさぁいよいよロックゲートだー。
うわーーー本当にかぶりつき。
こんなの何回やっても楽しいよー!て思ったけど、本当に何回もやってくれるうえに1回1回いちいち時間がかかるので、最初は一緒にかぶりついてた他の乗客の皆さん(ほとんどがおじいちゃんおばあちゃん。団体の観光バスでやってきてた)は1回で飽きてましたね。私はといえばずっとかぶりつきのまま堪能しました。満足です。あと、絶対下ってくコースのほうが楽しいです。
あ、あのピンクのとこがおすすめの雑貨屋さんです(名前思い出せず)
2階にものぼってみたけど、運転手さんが欧米のバスや電車の運転手さんと同じ、ものすごいラフな感じでいらしてちょっとびびる。
そしてわーついに秘密の扉が開いたよー!(定期観光コース)
照明はつけられてなくて、天井にあいた穴から明かりを取り入れるスタイル。ちょっとした神殿感あるよね。
出てみるとけっこう大きな港で、なんかわかんないけどたぶん映画の撮影みたいのしてた。
この先いきなりセーヌ川につながってるのか。おおそうか。
この先、雨が降ってきてしまったので写真はないけど、セーヌ川はもうパリといえばのど直球おなじみの光景が広がっております。
このあと何してたかまったく覚えてないけど、写真がないってことは、たぶん美術館行くか買い物してた。
そのあと、バスティーユ駅のホームから。パリにいたら絶対何度も通る場所だけど、ここがこんなふうに船溜りになってるなんて全然気づかなかったなぁ〜と。