こうして登ったり降りたり登ったり降りたりを堪能し、新橋駅へ向かったところで、もうひとつ気になっていたことを思い出しました。それは、新橋と汐留は地下でつながっているが、確実にそこに断絶がある。という少々社会派のテーマについてです。たとえば。
(上)新橋の地下 VS (下)汐留の地下
(上)新橋の案内図 VS (下)汐留の案内図
どうでしょう。新橋のほうが多少ファンシーで親しみやすい感じというか。ちなみにですが、新橋側の写真を撮っているときは、何もしていないのに、何してんのーと酔ったおじさんにからまれそうになりました。あの紳士な警備員さんが懐かしい。左と右でビフォーアフターのように見えなくもありません。
そしてこちらはどうでしょう。
(上)新橋の階段 VS (下)汐留の階段
上のほうが趣があって良さそうですが、趣のある門灯の奥で、誰か、住んでいらっしゃいます。ちなみに、新橋の階段は大体どこも満室です。
汐留側でほかに住めそうな階段を探してみたものの、誰も住んでいない。
住居向きの箇所には植え込みやフットランプが仕込んでありました。なるほど。
と、汐留のほうが新しいのですからビフォーアフター的なのは当たり前なのですが、何が気になるってその境目が気になります。地上では、正式な住所はともかく第一京浜によってくっきりはっきり分かれている新橋VS汐留なのですが、地下では気づくと「あ、新橋。」となっている。地下には境目は、あるのかないのか?地味に探してみました。
確実に新橋なここからスタートする。
足下はこんな感じ。新橋色だ。(100%新橋)
ひとつ目の境目候補、JR新橋駅への階段。まだまだ新橋っぽい。(奥が新橋、手前が汐留)
足下にも変化が見られない。(左が新橋、右が汐留)
あ、ここに案内図がある。ここか?(右が新橋、左が汐留、すみません、逆になりました)
色は変わったが未だ新橋テイスト。(左が新橋、右が汐留)
ってこの微妙な感じが写真で伝わるのかどうか甚だ疑問ですが、現地では何か確信のようなものがありました。そして黄色い線を目印に進み、ついに見つけたのです。境目を。格差社会の断絶を。
ここだ!ここから汐留だ!!(左が新橋、右が汐留。これは言うまでもないですけどね!)
ってどこかというと
ここです。(奥が新橋。手前が汐留。よーーく見ると照明も劇的に汐留テイストに変化している。)
新橋と汐留の地下の境目は、防火扉で区切られている。(ふーん)
完全な汐留テイストの足下。継ぎ目すらおしゃれだ。(100%汐留)
この調査によって、「うむ、ここからが新橋。」と余裕を持って境界を乗り越えられるようになった。はじめから、どちら側が素晴らしいなどと言うつもりは毛頭ない。断じてない(エスカレーターが素晴らしいのは汐留だけど)。というつもりの記事だったが、新橋の階段住宅には確実に心惹かれるものがあると思う。このように、都市生活の中で私たちは知らず知らずのうちにさまざまな断層を踏み越えて生きているのだろう。たぶん。