岡山県瀬戸内市の牛窓は、古くから栄えた港町。現在は「日本のエーゲ海 牛窓」という看板が至るところに立ち、どうやら関西方面から気軽に日帰りできる絶景スポットとして人気のようである。
リゾートホテルや海水浴場にヨットハーバーのある沿岸エリア、展望台やカフェが並ぶ山エリアという、文句なしの観光スポットの合間に、ちょっと異質な風景が広がっていた。
カブで走っていたらたまたま通りがかったので、大変興奮し、はじめは干拓にまつわる何かの施設かしら、と思ったが、さらに走ると「ペンション」という看板が。
水上にペンションを作るなんて、牛窓、めちゃくちゃ洒落てるな!しかしどうやって玄関にたどり着くのだ?船…?と疑問がたくさん浮かんだまま通り過ぎたのだが、あとで教えてもらったことには、かつて塩田跡の干拓地に作られたペンションが、閉鎖後に排水ポンプの停止により水没したものだそうである。なるほど。廃墟マニアさんや珍スポットマニアさんにはよく知られた場所であるらしい。
こちらの方は、ドローンで撮影をされているが、何しろ水没しているので基本的に近づけない。望遠で撮ってきた写真をトリミングして無理やり観察してみるとこんな感じ。
ちなみに、もう少し北側にあるさらに広大な塩田跡地には、日本最大のメガソーラーも完成し、稼働している。
牛窓、文句なしの人気観光地と、言いようのない違和感がすぐそばで同居した不思議な場所だった。