Roadjapanさん主宰の復興ドボク見学会に参加してきた。
場所は陸前高田市。陸前高田でいま何が行われているかというと、旧陸前高田駅周辺の津波で被災した地域の土地の嵩上げのため、山から土砂を運搬するためのベルトコンベアが建設され、急ピッチでの復興作業のまっただ中なのである。
ちょっと見づらいが現場イメージはこういう感じ。
この、「仮設橋」となっている「希望の架け橋」は、現地で見学ツアーに参加できる。
集合場所の旧・道の駅陸前高田(タピック45)。
恥ずかしながら、なぜ「旧」なのかということすら知らずに向かった陸前高田であったが、私が以前ボランティアに参加した場所に比べて、被災が広範囲に及んでおり、駅前の商店街から道の駅にかけての地帯は残っている建物がほとんどなかった。駐車場と、慰霊施設、現場見学の説明施設があり、辺りを行き来するのはほとんどが工事車両である。
道の駅から見えるのはベルトコンベアの運搬先、先端部分。
道沿いに白く真新しいコンベアがずっと続き
気仙川を渡る。これが「希望の架け橋」。2年の役目を終えたら消える、仮設橋である。奥に見えるのは奇跡の一本松。
仮設のプレハブでまるごとりくぜんたかた協議会の方の説明を聞いた。ベルトコンベアは最新のIT制御で山から土砂を運んでおり、9年の工期を2年に縮める。何故急ぐ必要があったかというと、この地帯に住んでいて、仮設住宅で工事の完了を待つ住人の方の多くがご高齢であるからだと言う。いかなドボク好きといえ、いつものテンションで盛り上がるわけにはいかないシビアな背景だが、今までのどの現場よりも感慨は深い。
見学ツアーではそのあと、ベルトコンベアの始点部分、土砂を送り込む側へ。
かなり高速で土砂が運ばれていく
全体の様子がよく見える
見学ツアーのあとは、Roadjapan長野さんのはからいで、米沢商会ビルの米沢さんに、ビルの内部をみせていただくこととなった。
米沢商会ビルは、道マニアであるところの長野さんが陸前高田に興味を持つきっかけとなった建物である。
現地にきてみると、その理由がよくわかる。かつて陸前高田の駅前商店街の「一部」だった米沢商会ビルは今、ひとつだけぽつんと端に佇み、あとは「道だけが」残っている。
米沢さんは、この建物の屋上の、さらに先端までのぼって、ぎりぎりのところで命をとりとめられたという。当日の様子をくわしく説明し、再現してくださった。
道だけが残された陸前高田駅の商店街と
土地の嵩上げを着々と遂行していくトラックたちが見える
東北の被災地を訪ねると、私が当たり前のように送っている日常が当たり前でないことを痛く思い知る。