TOKYO ESCALATOR BLOG

エスカレーター専門サイト「東京エスカレーター」の旅行記です。なかの人は田村美葉です。

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別冊 東京エスカレーター 07

 

9/22 4年越しの夢、ロイズオブロンドン #38ineurope

これもまた、「はいはいヨーロッパ行ってきたよ自慢ですか」と自意識過剰に自粛していたが、どう考えても私の体内時計は年中グリニッジ標準時に合ってるとおもう。ヨーロッパに行くと時差を全く感じないというか、日本にいるより早寝早起き、快眠快腸になる。

 

 

朝6時に起きて、7時にはすべて用意して、ホテルの朝ごはんへ。中庭があって大変素敵な朝食ルーム。コンチネンタルだが、パン、ハム、チーズ、ヨーグルト、果物がそろっていて完璧だった。ヨーロッパのパン、うまいなー。

 

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どうだ素敵だろう。

 

8時にホテルを出て、Earl's Courtから地下鉄に乗る。Earl's CourtはZone1のはしっこで、Circle LineとDistrict Lineがとまるんだけど、このDistrict Lineに支線があって、Earl's Courtはちょうどその枝分かれ地点にあたるもんだから、行き先が4つもあって大変紛らわしい。でさっそく間違えた。ついでにロンドンの地下鉄はバスよりもやる気がないんで10分待ちとか20分待ちとかがざらにある。Circle Lineがまさかのストライキで全日運休という事態に翻弄されるのは翌日のことである。

 

なんだかんだ言いつつ、Bankに9時すぎに到着。この旅のメイン目的である、ロイズ本社へ。歴史あるロンドンの街並みの中で異様な存在感というか素材感。チャールズ皇太子が「石油コンビナートのようだ」と酷評したらしいが、それ酷評になってないチャールズ。既に50mくらいの列が、正面入り口から建物の角まであり、並んでいるうちに列はどんどん長くなって、このひとたちがみんなエスカレーターを見に来たのかとおもうと胸が熱い。

 

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街中にそびえたつ石油コンビナート。素敵。

 

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正面入口前、ピロティに並ぶひとたち。

 

10時の開場を待つ間、わざわざロンドンから取り寄せて出発3日前に届いたガイドブックを読んでいたら、iPadアプリが出てるとあるのでダウンロード。これが、Googleマップと連動していてめちゃくちゃに便利だ。どうりで、PDF版のガイドブック、サイトのどこを探してもなかったわけだ。はやく言ってくれ。ロイズ観終わったらどこに行こうかな―などと物色する。

 

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2011年から、ガイドブックはアプリになったそうです。500円。もちろんiPhoneでもつかえます。

 

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待ってるところで上をみあげるとこんなだ。

 

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エスカレーターメインの素敵なパンフレットをいただき、テンション5倍増しに。

 

9時40分くらいには列が進みだし、たくさん素敵なパンフレットをもらって、簡単な荷物検査があって、中に入る。と入ってすぐ、目当てのエスカレーターに乗るコースになっている!ぎょええ!待って待って心の準備がああ!!とあっというまにメインフロアに着いて、広大な吹き抜け空間に、ごーんごーんと光るエスカレーターが動いている、あの夢見た光景があるのだった。

 

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入っていきなりこれだ。そりゃ手元もぶれる。

 

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ばばーん。

 

だけど、エスカレーターで上の階にはのぼれないみたい。他にエレベーターも見当たらないし...あ、公開ってこのフロアだけなんだ~と早々に合点して、近くから遠くから斜めからエスカレーターを撮りまくる。おなじくエスカレーター胸アツ仲間だと思っていた他のひとはだいたいエスカレーターに背を向けて、メインフロア真ん中の展示物や大きな時計、ずらりと並んだ執務席の様子などを撮っていた。この執務席、ふつうの机でふつうにPCなどが並んでいるのだけど、図書館みたいというかハリー・ポッターみたいというか、セキュリティチェックがいたるところにあり、パーソナルスペースに分かれてる次世代オフィス、とは真逆の感じでなんだか印象深かった。

 

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図書館みたいな執務スペース。

 

ところで、このOpen House Londonというイベントは、完全無料、参加してる施設の好意とボランティアによって成り立ってる。にこやかに説明してくれる係の人がみんなLLOYD'SのTシャツを着ていて大変うらやましかったのだが、もしかして社員さんだろうか。

 

で、20分くらい堪能して、やっぱり下から撮れる写真には限界があるわねぇ上にいけるスタッフのひとたち、羨ましいワァと思って見上げていたら、ん、なんかふつうっぽいひとも上にいるような...このフロアからは出口に誘導してるようにしか見えないんだけど...あ!!そうだ!!この建物、エレベーターは全部外づけなんだったじゃーん!!!!と、大変なことに気づく。ドキドキ行ってみたらやっぱり、出口ではなくて外のエレベーターゾーンに案内されるのであった!!!ぎゃー!!!

 

どうも、開場直後に入ったので、まだ上にいるひとがいなかっただけのようだ。このあと、エレベーターでのぼって、エスカレーターで降りてくるコースになっていた。むふー(興奮の鼻息)。

 

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このスッケスケのエレベーターであがる!

 

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超絶豪華な応接間!

 

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コードのもたもた感が親近感わく会議室!

 

スケスケのエレベーターに興奮しつつ最上階の会議室フロアへ。ここは中世貴族の居間ですか、みたいな豪華絢爛応接室、あ、これはうちの会社といっしょだ、と安心できるガラス張りの通常会議室があって、テレビ会議システムのあのだらーんと伸びてる配線の感じにとても親近感がわく。そんなとこばかり注目しつついよいよ吹き抜けゾーンに。

 

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ええ、これが、これが見たかった光景なんです。

 

うっとりした気持ちのまま、エレベーターで今度は、エスカレーターのある階まで降りる。

 

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ええ、これも、このエスカレーター正面からも、撮りたかったんです。

 

コースの順序どおりにうしろのひとを邪魔しないぎりぎりのところでゆっくりゆっくり、エスカレーターを降りて、メインフロアまで。出口をスル―して、もう1フロア分、エスカレーターを降りて、トイレのある地下フロアへ。名残惜しい。

 

※ロイズのことはDPZで思う存分書かせていただいた。

@nifty:デイリーポータルZ:年に1度だけ開かれるエスカレーターの総本山に行ってきた

 

出口で昨日買ったOpen House Londonの記念本やらなんやらのグッズが売られてて、これまた大変にこやかなお兄さんにステッカーはフリーだよ!ほしい?と言われてI Love Open Houseのステッカーをもらった。ええ、愛してます、Open House London。これから行こうという方は、すでに2013年のガイドブック予約がサイト上で始まっているようです。このガイドブックの中に、予約が必要な施設の情報など、大変重要なことが書かれてますので。ロイズオブロンドンは予約ナシでOKなんだけど、その他の施設はいろいろ調べたほうがよいと思われます。日本語の情報は、建築マップさんのサイトに詳しい

 

つーわけで、アプリで調べた近所の建物にいくつか。新しいっぽいかっこいいビルに入ってったらイケメンのセキュリティのひとに「残念だけど君はダメ、あーそしてロビーの写真は禁止されてるから(懲りずにロビーのエスカレーターを撮ろうとしたんである)」的なこと(ぜんぜん何言ってるかわかんなかった)を言われ、しょんぼりしながら近所の教会に入ってったら、「よくきたよくきた!紅茶があるよ!珈琲があるよ!ちょっと種類少なくなっちゃったけどクッキーもあるから!!」みたいな大歓待をうける。Open Houseで何やるかは、すべて、各施設の嗜好にゆだねられてるようですよ。ありがたく教会で紅茶をいただいて休憩してから、これもすごい列のできてるMansion House(要予約)を横目に眺め、やや列ができてるけど入れたとして500段だかの階段をのぼるらしいMonumentを横目に眺め、うん、まぁ、他の施設、無理して行くこともないかな、と、予定通り、お昼にと考えてた次の目的地へ行くことにした。

 

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やさしかった教会。すてきな柱。

 

London Bridgeを渡って、City HallのあるSouthエリアに向かう。徒歩で。まだ旅の前半なので元気なのだ。バスを見かけるとは乗ってた後半のパリと行動範囲がぜんぜんちがう。というかこういうことしてたから後半息切れするんである。

 

London Bridgeというのはfalling downの歌で有名で、その1コ東側のかっこいいTower Bridgeと混同しがちだが、落ちまくった結果、現在架かっているのは、ただの橋である。それよりLondon Bridge Stationの横にしゃきーんと鋭角にとがってそびえたつ建物が気になってしょうがない。なにあれ。

 

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これ。

 

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バベルの塔感がすごい。

 

で、いま調べたところによれば。The Shardという、なんとヨーロッパで最も高いビルなんですって。2012年7月に外側ができたばっかりで、2013年オープン予定。設計はあのレンズ・ピアノ。レンズ・ピアノといえば、ポンピドゥーを我らがリチャード(・ロジャース。ロイズオブロンドンつくったのも彼)といっしょにつくった人だ。へぇー(いまさら)。

 

この建物、ヨーロッパ一というだけあって、いまロンドンに行くとほとんどどこにいても見える(それは言いすぎ)くらい目立つ建物になっている。

 

12時すぎて猛烈に空腹を抱えた私は、それでも予定を遂行。そんな感じで超絶再開発中のLondon Bridge Station付近をはじめ、テムズの南側はいまとても活気に満ちている感じ。特に土曜日は商店街がなんかお祭りになってて大変な騒ぎ。めあてのWhite Cubeというギャラリーは、いくつかの部屋があって、それぞれ隅っこに超ひまそうに本読んだりして座ってるひとはアーティスト本人なのか。おそらく本物の消防車のホースを切って平面に並べた作品とか、なかなかおもしろかったけどいかんせん私はおなかがすいたのだ。

 

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なんで消防車のホースだとわかるかというと

 

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その裏に消防車がつってあるからだ。おもしろい。

 

土曜日の11:00~14:00くらいの間だけ開催されるらしい、Meltby Street Marketへ。ここ、FIGARO JAPANのロンドンガイドにふつうに出てたんだけど、地図が間違っていた。Meltby Streetはたしかに地図どおりの道なんだが、このストリート自体は住宅街というか団地のど真ん中みたいな道で、特になんにもやってないのだ。え、もしかして今日やってないの、団地が魅力的なのはわかったけど、と涙目になって高架の下まできたら、その高架沿いの細い道にまさしくたくさんの屋台が出ていて、高架下建築祭りみたいになってた。横浜の黄金町のあたりと同じく、鉄道高架をリノベーションしての素敵なカフェもいっぱい、おいしい料理やら、ワインやら、チーズやら、ハムやらの試食がもりもりと。

 


大きな地図で見る

実際は地図に書いてないここの高架沿いの道がメイン会場なので注意されたし。

 

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ほーら素敵だろう。

 

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煉瓦橋脚特有のアーチの中がそれぞれお店になってる。ロンドン高架下建築。

 

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なかはこんなかんじ。

 

屋台で焼き立て肉をはさんでくれるハンバーガーを買って、そのへんのベンチに座り、念願のランチにありつく。うまい。ロンドンはほかにも、土曜限定市がたくさんたつので、いろいろ行きたいところはあったんだが、ここはぜひとも訪れるべきスポットだと思った。

 

ロンドンの素敵な煉瓦の高架をたのしく眺めながら、またも徒歩でTower Bridgeのたもと、Open House Londonで公開しているCity Hallにやってくる。ませっかくだから入っておくかと50mくらいの列に並んで、さくさく荷物検査を受けてエレベーターで最上階の展望テラスへ。子どもたちがとてもアーティスティックな、建築系積木のワークショップに熱中していて、おしゃれな雰囲気。

 

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展望台からは再開発真っ最中のSouthの様子が見渡せる。

 

で、有名らしい螺旋階段のほうへ...と行ってみたら...え、なにこれ、1階までずっと続いてるんだ!? ってそんなことも知らずにきたんだ!? いやCity Hallって外見が奇抜なだけじゃないのね、超かっこいい。その螺旋階段、ガラス張りの執務スペースでふつうにお仕事している職員さんを眺めながら、そして反対側はこれもガラス張りでテムズ川とタワーブリッジを一望しながら、順々に降りていくと、感動的なことに、いちばん下のスペースは市議会の会議場なのだ。階段を降りていくだけで、なんかこう、ロンドンという街について一市民としていろいろな気持ちがむくむくとわいてくる施設になっているのである。私は市民じゃないけど。

 

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うん、ここはみんな来たほうがいいね!

 

圧倒的に気をよくして、テムズ川のほうへ。すぐ近くに浮かんでいる、HMS Belfastという軍艦の内部見学もちょっと気になったのだがスル―、すぐ近くのPierから船に乗る。Oyster Cardがつかえるということも書いてあったけどちょっと仕組みがわからない。チケット売り場の係のひとにきいて、どこまで?ええっとウエストミンスターまで、と言ったらWaterlooまでと書かれたチケットをくれた。Waterlooはウエストミンスターの対岸なんだがウエストミンスターにはとまらないってことなんだろう、まぁいいや。で、このあとまったくこの買ったチケットをチェックされることもなかったし、Oyster Card持ってるひとはチケットを買う様子すらなかったんだが、いったいどういう仕組みなのか謎のままである。

 

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なんか軍艦。

 

隅田川クルーズと同じ大きい観光船で快適に船の旅。最近小さい船とかSUPとかばっかり乗ってるので大きい船って逆に新鮮である。曳き波とかきてもべつに揺れないんだね、船って!

 

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こんな船だった。

 

Waterlooについたらさすがに一大観光地、人であふれており、そういや前にここの土産物屋台でおつりをごまかされそうになったよねとか、そういやここでなぜか井上和香を目撃したよねとか、どうでもいいことをいろいろ思い出しつつWestminster Bridgeを対岸にわたる。目当てのバスに何度も抜かされながらバス停を迷いに迷って、そういや前きたときもバス停に迷い続けて帰国してからさえ悪夢にみてたな、とさらに思い出し、ダブルデッキの特等席を確保。

 

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ウエストミンスター横目に盛大に道をまちがえた。

 

向かったのは、ノッティング・ヒル・ゲート。やはり土曜開催のPortbelloの蚤の市に終わりかけながらやってきたものの、安い衣料品とかアンティークとか、興味なくはないんだが、うん、私、つくづくドボクと建築しかうけつけない身体になってしまったのね、と深く実感してPortbello Streetを抜けた。

 

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乗換駅。古い橋脚をとりかこむようにして新駅舎が建っていて、建物内橋脚になってた。おもしろい。

 

Ladbroke Groveから電車に乗って、ロンドン郊外のGreenford Stationを目指す。とても内容が充実している英語WikiEscalatorの項に、木製エスカレーターの残っている場所として明記されているのだ。今回の旅の隠れ目的地でもある。いや隠さなくていいんだが。

 

で、行ってみたらこれが!元々おそらく3基並列だったとおぼしきエスカレーター、下から見て1番左はふつうの階段に、真ん中は元エスカレの意匠を残す階段に、そしていちばん右がステップのみだがたしかに木製エスカレ!わーい!

 

と写真を撮っていたら、係員のおっちゃんに「写真だめよー」と怒られてしまったのだった。英語がわかんないせいもあるんだが、なにがどうだめなのかわからない。厳密にいえば、どの国のどんな駅の構内もその鉄道会社のものなので許可のない撮影は禁止といえば禁止なんだが、他のところではぜんぜん注意されなかったのでたまたまなのか、それともこの木製エスカレーターになにか重大な秘密でもあるのか不明だ。というわけで公開はしないのだが、私のiPhotoフォルダにはその重大な秘密の隠された木製エスカレーターの写真(怒られる前に撮ったやつ)がちゃっかり保管されている。

 

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関係ないけどロンドンのエスカレーターは片側あけ推奨である。どっち側か、という話にはあまり興味がないのでふれないでください。

 

そんな感じでやや意気消沈しながらもまだまだ元気な1日目、最後はこれも金・土だけ22時まで開館の、テート・モダンへ。ロンドンとパリの主要な博物館、美術館は前回きたときにほぼ巡っているので、特に予定に組み込んではいないのだが、ヴィクトリア&アルバート同様、ロンドンに来た時は絶対にはずせない美術館である。

 

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Blackfriars Bridge横の絶賛工事中の鉄道橋がかっこよかった!

 

1階のお手軽カフェエリアで食事にしようと思っていたら通常の時間で閉まっていて、最上階のレストランに。パリで同じ位置づけの美術館、ポンピドゥーの最上階のレストランは、なんつーか宇宙っぽいというか未来な感じでメニューも変わっていて、いったいなにがメインでなにがオードブルだかわからず、いつも「トマトにチーズのっけたやつ」1皿、みたいなのをどーんと頼んで(ものすごくうまい)満足するのだが、テート・モダンのメニューはとっても見やすい。きょうのおすすめメインディッシュからラム肉を選んで、オードブルはひとりなので諦め、サイドディッシュを。あとグラスワイン1杯。サイドディッシュのグリーンサラダが俺の日本での野菜の1週間分の摂取量ぐらいあったけど全部食べてサービス料込で30ポンド。テムズ川の夜景が見渡せる絶景のレストランでこの価格はだいぶお得なんじゃないかしら。「ひとり旅の夜は美術館にかぎる」というのをそれだけで記事にしようかと思ったくらいだがこのブログはライフハックブログではないのでやめておく。

 

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空腹によりぶれた。

 

腹ごしらえ後のほろよいでみまわる、夜の空いてるテート・モダンは最高である。有料のムンク展はスル―、というかとても見て回る時間がない。余裕でカンジンスキーだけの1部屋とかある、ヨーロッパの美術館の余裕っぷりに気押されるのだった。ぐふぅ。

 

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余裕の常設展。

 

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そんでもって、テート・モダンはエスカレーターがめっちゃかっこいい!

 

こんなボリュームで日記を書いていったら大変なことになりそうだが、言うまでもなくこんなに夜まで元気なのは初日だからである。