17日は、14時の熊野川舟下りの予約と、17時の特急の予約がしてあって、それまでの間になんとかパワースポットで参拝をしたかった。朝、隣の駅まで行ってそこからバスで熊野古道を目指すぜーなんて思ってバス時刻表をこまかくこまかくチェックしたのだが、隣の駅まで行く電車が1時間に1本しか来ない。で、それに乗ると微妙にちょっとずつバスに乗り遅れる。なので1時間とかのタイムロスになってどうもよろしくない。そのタイムロス分早起きしようかどうしようか、とさんざん悩みながら寝たらぜんぜん早起きじゃない時間に起きて、悩む必要もなく1日1本の10時発の熊野古道直通バスがちょうどよくなっていた。なんだったんだろうあの悩み。
こんな船に乗りました
お見送りしてくれるのがなんだかせつない。
ホテル浦島からは、無料の送迎船だけでなく、駅(の前のお土産屋さん)と往復する無料の送迎バスまで出ている。行きは全然気づかなくてなんかなんの案内もないなーなんて思いながら10分少々の道のりを海だと思う方向に歩いていったんだけど、帰りは港についたらいっぱいバスが待っててびびった。が、それには乗らずにぼんやり街を探索。
角のタバコ屋
装飾テント
ニューのつく時代
JCBつかえます
アーケード商店街
このへんってマグロがとれるんですね。そういえば浦島でもマグロの解体ショーとかやるって言ってたなー(私の行った時間はやってなかった・・・)
バス停について、熊野古道行きのチケットを買おうと窓口のほうに行くと、「瀞峡めぐり」というよくわからないけどクルーズのチケットを一緒に売っている。その熊野古道直通バスを途中で降りると、そのクルーズに乗れるらしい。で、私の舟下りの集合スポットが、そのバス停の隣のバス停なのだ。しかも、終了時間と集合時間が、ちょうど30分ぐらいの感覚。こりゃばっちり。てなわけで予定をさっさと変更して、川ざんまいの一日にすることにした。
昨日のシングル客室と同じく窓の外に海しか見えないバス路線。こういうの大好き。
景色がすごくいいのは隣の新宮駅までで、そこから熊野大社のほうにのぼっていく道はがんがん山道の国道をゆく。熊野古道は結局歩かないけどバスでなんとなく雰囲気わかるんじゃ、なんて思ってたのは相当な勘違いだった。そりゃそうだ。
で、瀞峡めぐりのウォータージェット船が出る川の駅っぽいところ(ここ)につく。秘境っぽい感じを想像してたら大型バスなんかも何台も止まってる超観光スポット。あ、そうか、熊野って世界遺産だったか。
なんか超違和感。と思ったのは、川のゆるやかな砂利斜面のところに桟橋もなくいきなり大きなジェット船ががつんとつけられているところ。ふつうの川だと徐々に水深が深くなるので、浅いところにそんなふうにガン、なんて船つけられない。あとからきいたところによると、このあたりは火山でできた地形で、川の水深は25メートルにもなり、いきなりがくーんと深いんだそうだ。へぇー。
中に入るとこんなバスみたいな座席
で、この舟、天井があく。わーい!
瀞峡というところはその火山の地形がさらに極まった峡谷地帯で、なんか秘境中の秘境って感じでしかも奈良県と三重県と和歌山県、3県の県境でもあるらしくていろんなマニアが黙っちゃいなそうだったのだが、船内は主に、名前のついてる滝と岩の説明のナレーションテープが流れている。
律儀に全部の岩やら滝の写真を撮ったけど、全部名前忘れてしまいました。
着いた先に有名なホテルがある。ここは現在はカフェになってるそうだがカフェに立ち寄るコースは1日1便なので、我々はすぐ引き返す。
峡谷地形だけあって、すごく高いところに橋がかかっているのだが、3年前の台風であそこまで水につかったのだというのをきいた。そういえば、ホテルの別館に向かう吊り橋もダイナミックに壊れていたけど、台風でやられたものらしい。
3年前は、そうだ、地震だけじゃなくて台風も来たんだよね。
14時からのほうの舟下りでは、主に自然との闘い系の話をたくさんお聞きして、勉強になってしまった。
みんなで舟下りコスプレ
かっこいい木造船!なのだが、ちゃんとエンジンついてる。
こっちは観光客がんがんだった瀞峡と打って変わって、小さな舟で1日2便だけ。川舟センターという、おそらく非営利の地域振興団体みたいなところが舟を出してくださる。(こちら)うん、こういう感じはいつもどおりですごく落ち着く。
こちらはのんびりゆるやかクルーズ、と思いきや、小さな船でがんがん早瀬にのまれにいくので結構アドベンチャー系。
いろんなところに台風の爪痕と、その復旧状況を目の当たりにする。明治以来の大台風でだいぶ地形が変わったんだそうだ。
なんかでもこんなすごい自然造形に囲まれてる場所なので、「ま、仕方ないよね」って感じにも思えてきて、実際地元の方は水害自体には慣れてる風土があるっぽい。浸水したりはよくあるんですか?という質問に「そんなにしょっちゅうはないよ。・・・3年に1度ぐらいかな」と答えられたりしてた。しょっちゅうじゃん。
3年前の台風の話と、数千年(万年?億年?)前の火山地形の話と、「川の熊野古道」としての話を交互に聞いてると、時代の感覚がわかんなくなってくる。なんか東京に住んでると昔=江戸or昭和って感じがあるんだけど、関西くると一気に平安時代から来るからね。「まだエンジンついてないけど、同じ船に乗って、皇族もよく舟下りをした」なんて話を聞いて、せいぜい明治天皇ぐらいを想像してたら「後鳥羽上皇なんて何度も来たことがある」とか話が続く。
「これは関西国際空港つくるために削ったところ。いまは国立公園になっちゃったからもうこんなことできない」
超原始的なロープウェイ!ひとも乗れるのかな??
ところで、瀞峡めぐりクルーズのとき、とってもおもしろいけど地味っちゃ地味なコースなのにすごい観光客の数・・・て思ってたんだが、本気を出した熊野川はものすごい清流なのだというのを教えてもらった。
合流している支川のほうに向かうと・・
ぎゃー!すごいエメラルドグリーン!
ってこの場所もすごくおもしろいんですけど。
元の川との境目でこんなに色が違う!!ちょっと前日雨が降ったために土砂が混じってしまったそうだ。たしかにここがこんな全面エメラルドグリーンだったらパワースポット的なにかがありそう。
河口にやってくると一気にドボクっぽい風景が広がる。電車でこの橋渡って、あの工場気になってたんだよなー。
ていう橋のたもとに舟つけてもらって、ここは、かつて筏流しが盛んだった時代には川原家という商店が建ち並ぶ場所だったそうだ。でも、年に5,6回は水につかる場所で、そのたんびに家をたたんで高いところに引き上げる(!)ということが行われていたらしい。なんか水とのつきあい方がおもしろい地域なんだよね。
一部、当時の風景を再現したお土産屋さんがある。最後まで興味がつきないよいコースだった。
熊野神社(のひとつ)にお参り。結局熊野古道は一歩も歩かなかったけど、「川の熊野古道」を後鳥羽上皇と同じ舟で下って結局参拝もできて、パワースポット好き女子としても満足。
新宮駅のほうに車で送ってもらって、またがたごとひたすら揺れる特急に乗って名古屋に、そこから新幹線に。帰りに地元の花火大会で特急が激混み&遅延するというきわめてローカルな事態に巻き込まれたりもしたのだけど、爆睡していたのであまり記憶がありません。