「からっぽの女の子」が世界を救うアニメ『けものフレンズ』は、ほぼ『あまちゃん』

あまちゃん』を放送から遅れること2年後、NHKオンデマンドで全話ぶっとおしで見て人知れずあまロスになった悲しい思い出からここぞとばかりに盛り上がりに乗じています。

けものフレンズBD付オフィシャルガイドブック (1)

 

あまちゃん』(故郷編)と『けものフレンズ』の類似点はこんな感じです。

 

・主人公はなんの取り柄もない「普通」の女の子

・自分の意志とは無関係に異界に放り込まれる

・特にこれといったきっかけも理由もなく、「最初に出会った女の子」=サーバルちゃん(ユイちゃん)と深い友情で結ばれる

・「パークガイド」(アイドル)という職能を得る

・世界(北三陸)とサーバルちゃん(ユイちゃん)を救う

・船出

 

「少女が世界を救う話」って、日本だとたくさんあるのですが、海外ではあまり見かけません。ここで重要なのは、それが少女の「成長物語」ではじつはない、ということです。『あまちゃん』考察時にも引用したのですが、アキの母親、春子さんによるこんなセリフがありました。

アキが変わったんじゃなくて、みんなが変わったんだよ。ここで、みんなに好かれたね。(うろ覚え)

アキは最初から何も損なわれていないし、最後まで何も変わらない。アナ雪のような「自分を救う」自己再生の物語ではないのです。映画版ドラえもんにおけるのび太くんのような存在です。途中でのび太が変わるわけではない。最初から、のび太は内なる才能を秘めた勇者なのです。そして日常に戻ればのび太はやっぱりのび太なのです。

かばんちゃんも然り、自分が何者かわからない、何ができるのかわからない、「からっぽ」な状態ではありますが、何かが損なわれているわけではない。そして、自分には何もないと思っているからこそ、周りのフレンズたちの特殊な才能を誰よりも見出し、愛でてくれるのが、かばんちゃんです。少し異常な方向へ傾きつつある世界で、「普通」を貫くこと。それがかばんちゃんの役割であり、かばんちゃんにしかできないことなのです。

 『あまちゃん』鑑賞中、私はバスに乗ると、まず運転手さんが杉本哲太とダブって見え、見知らぬ乗客全員がすべて魅力的でそれぞれにとっておきの個性を抱えた愛すべき人物であるかのような錯覚がずっと続いていました。世界はこんなにも優しくて瑞々しい。それと同じ感覚が『けものフレンズ』を見ているときにもありました。楽しいアニメでした。

 

あまちゃん 完全版 Blu-rayBOX1

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