エスカレーターマニアの移動の記録

エスカレーターマニア。船に乗る人。原付で旅をします。

12/30 冬コミ所感

【お知らせ】 エクスナレッジさんから、エスカレーターしか載ってないすごい本が出ました。『すごいエスカレーター』フルカラー160ページ、ぜひ買ってね。よい本です。→『すごいエスカレーター』


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冬コミお疲れ様でした。

 


これはみんな絶対必要に違いない、と誤ったマーケット感覚で多めに印刷した、『メーカー判別読本』ですが、1.5倍印刷して1.5倍会場に持ち込んだところ、いつもの2倍速で売れてゆきまして、結果として13時過ぎには200部プラス印刷会社さんのオマケ分を1部残らず完売してしまい、目当てで来ていただいた方には申し訳ないことでした。マーケット感覚が正しかったというか、『マツコの知らない世界』の経済効果ってこのことか、という感じです。半分くらいの方が「テレビ見ました」と言ってくださいました(そういう場合なんと返したらいいのでしょう、所詮素人ですしありがとうございますというのも違う気がする、お恥ずかしいかぎりです…と返しつつオロオロしてました、まだ自分では見てないのです)。残りの半分は、中身を見ずに「新刊ください」と次から次へとあらわれる、新刊系男子の皆さんです。
 

 

通販は既にマニマニさんで開始してますのでよろしければぜひ。

 

blog.tokyo-esca.com

 

 

それにしても、メカミリジャンルは、新参のわたしが言うのもなんですが、どんどん成熟していくように思います。どんどんおもしろいサークルが登場し、そして、おなじみとなったサークルも、どんどん頒布物のクオリティーがあがっていきます。今回は、「いつもより人が多いね」(マツコ効果というか叶姉妹効果なんでしょうかひょっとして)とみんな言っており、次々完売サークルが出てましたが、帰ってきて慌ただしく手に入れた戦利品をじっくり見るだに、うーんこれはよい!と唸るものばかり。自分もまたがんばろうと思えるのであります。
 
ちなみに、前回夏コミより一人参加をしてるのは、友達がいないのではなく、みんながサークル主になってしまったからであります。昼過ぎまでてんてこ舞いで買いに行く暇がない、なんて事態は今回が初めてです。一人だと、話しかけて下さる方と話し込む間もないし。次は売り子募集しようかなと思います。
 
打ち上げでもちょっと話していて、そういえば前にも書いたなと思って探したら前のブログとともに消えてたのであらためて書くのですが、私はコミケ参加に味をしめた翌年(大量の在庫を抱えていたこともあり)、デザフェス、超文学フリマなど、いろんなところに顔を出していたのですが、売り上げは10数部かそこらだったと思います。デザフェスは、とにかく「グッズとして役に立つ」ものじゃないと売れず、エスカレーター本はおろか、みんな大好きテトぐるみさえ(マニアパレルさんが大量に持ち込んで事実上テトぐるみブースだったのですが)、「これは何に使えるんですか?」と頻繁に聞かれるので、「人生の荒波に立ち向かえます」と、途中からお守りとして売ってました。入場料のあるニコニコ超会議の片隅で全体的にも帰り道に素通りされるゾーンと化していた超文学フリマは、「エスカレーターの本だって、超ウケるwww」と、リアルの会話なのに草が生えてるのが見える感じのリアクションでして、手にとってくださる方もいるのですが「おもしろかったです!」と感想を残して去っていかれるんですね。そうか、入場料は払っても、コンテンツ自体にお金を払う習慣がないのだな、とちょっとした感銘さえ受けました。そして、文学フリマ本体には参加したことがないのでアレなのですが、ああここはちょっと違う場所だなぁと思ったのは、モノクロではあるものの1cmくらいの厚みのある小説集を「無料配布です」と言って配ってらっしゃる大学の文学サークルさんがちらほらいたことです。
 
中身を見ずに、値段も見ずに、「他で売ってないから」という理由でどんどんモノが売れるコミケは特殊な場所です。そして、今回よくよくわかったのは、中身が関係ないようでいて、じつはすごく関係ある、ということです。作って売った本人が一番よくわかるのですが、メーカー判別読本が実質(途中の完売がなければ)夏の香港特集の2倍売れたのは、中身の出来の違いによるものです。そういった、コンテンツ自体の価値を直接肌で実感できる場所は、コミケ以外にないです。いきなり話が飛びますが、今年の『シン・ゴジラ』、『君の名は』、『この世界の片隅に』、の3作の大ヒットを見ていて、私はコンテンツそれ自体にできることってまだまだあるんだなぁ…とすごく感動しました。特に『君の名は』は一体何がどうしてヒットしてるのかさっぱりわからないという疑問が実際に見た途端、氷解しましたし、『この世界の片隅に』は、すごく素晴らしい作品が、すごく素晴らしい、てことをさらにたくさんの人に知ってもらう方法はちゃんとあるんだ、という思いでいっぱいになりました。スケールは山と塵ほど違う話ですが、私も、「直接の対価を頂く」ということを、2017年は意識してやっていきたいと思います。お金儲けを目指すのではなく、PVによる広告収益ででも、月額課金のメルマガでもなく、「これは、おもしろかった、これは、おもしろくなかった」ていう直接の反応がきちんとわかる形にしたいのです。まだなんのアイディアもないですが。
 
あらためてですが、私をコミケの世界に誘ってくれた大山総裁と、テクノポップユニット三鷹のタカハシさんには感謝です。いつもいつもありがとう。25歳になったとき、中学時代の友人と、もう出会ってからのほうが長いんだね。と喜びあったのを覚えてますが、18歳で上京して、25歳で高架橋脚ファンクラブを設立し、32歳になったいまは、上京してから、いつもよくしてくださる愉快な面々と出会ってからのほうが長い、という時代に突入しています。
 
また、新しいこと始めましょう。
2017年もよろしくお願いいたします。