エスカレーターマニアの移動の記録

エスカレーターマニア。船に乗る人。原付で旅をします。

2/24 美術館をめぐりながら東へもどる #東海ひとり旅

【お知らせ】 エクスナレッジさんから、エスカレーターしか載ってないすごい本が出ました。『すごいエスカレーター』フルカラー160ページ、ぜひ買ってね。よい本です。→『すごいエスカレーター』


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海の見える旅館に泊まる。が目的の東海旅、夜着いた時はすでに真っ暗だったので、カーテン開けっ放しにしたまま朝日を楽しみに寝て、起きてみたらこんな光景。わぁ狙い通りとテンションMAXに。

 

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なにやらちょっとした港も見える。遠くに見えているのは渥美半島ですね。あの先っちょまで行ってフェリーに乗ったなぁ。

 

一つ上、最上階にある浴場はちょっと出っ張っていて、人通りも車通りもある道に面しているのだけれども目隠しナシの大胆設計だったので、この写真だと左手で見切れてしまう朝日がうまい具合に望めました。

 

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朝ごはん。

 

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公共の宿、なかなかよいものです。

 

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お値うちな料金と心のこもつたサービス。

 

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さて、岡崎まで戻って愛知環状鉄道というのに乗り。

 

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豊田市にやってきました。私の好きなものがたくさん見えるペデストリアンデッキでテンションが上がります。


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そこから10分ほど歩いて最後けっこうな急坂をのぼり、豊田市美術館。これは裏口であるとあとで知る。

 

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すごい大胆な展示のしかただな!どうやって2階に行くのだ、と思いきや、この階段は普通にこのままのぼってよく、そのまま進むとメディアアート系の展覧会。

1階のコレクション展がすごくよく、松江泰治さんの大判プリントが並んだもの、などが見られて嬉しかったです。そのあとミュージアムショップに寄ったら、松江さんの写真集が、全部あるんじゃないかというぐらいに充実していてとても困った。全部ほしい。

 

で、裏口から入ってしまったので忘れていたんですけれど、こちら谷口吉生先生設計の美術館なんでした。

 

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正面に出ると圧倒的吉生感。

 

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この、水平垂直がビシーっと決まる感じ。一瞬にして広島の清掃工場のことを思い出しました。

 

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姫路~福岡 スピード珍道中 全行程 - TOKYO ESCALATOR BLOG

これもう7年前か……。広角レンズを手に入れたばかりで全部を広角で撮ってますね。

 

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また裏から出て。徒歩ルートというのがあまり推奨されていない感じの場所です。もともとお城があったんだね。駅前までもどります。

 

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回転展望レストラン、どーん。

 

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そして、空中の連絡通路に動く歩道があって、興奮した。こんなの初めて見たぞ。

 

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駅前は、愛知環状鉄道名鉄の駅をつなぐペデストリアンデッキがあって、エスカレーターの宝庫です。ペデストリアンデッキ。回転展望レストラン。エスカレーター。そう、私が好きなものってなんかこういう、「ちょっと昔に夢見た未来都市」的なことなんだよな、と思いました。さすがトヨタのお膝元。

 

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#駅前モニュメント

豊田市、なかなか楽しいところでした。また来たい。

 

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さて、岡崎でJRに乗り換えまして

 

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つづいてやってきたのが、新所原天竜浜名湖鉄道に乗るぞーっと思っていたら、想像以上に素敵な電車でした。

 

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本日の昼食、楽しみにしていた駅のうなぎ屋さんのうなぎ弁当です。

豊田市でがんばって走ってひとつ前の電車に乗るかどうか思案、ただ新所原の乗り換え時間が5分……は、無理だな、と見送ったのですが、このうなぎ屋さん、注文してからうなぎを焼いてくれるんです。だから10分ぐらいかかります。余裕持っておいてよかった。

 

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#券売機はかわいい

 

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やってきた電車は一両編成でした。

 

さて……と陣取って、電車が動き出して浜名湖が見えてくるまでうなぎは我慢……と思ってましたら、こっちは完全に観光気分ですけどこの電車、かなり地元の方の足として使われていまして。まず、保育園児10数名と引率の若い先生5名、という団体さんがやってきて4人席の周囲を完全に囲まれ、さすがに席を移動したところ、今度は傍若無人こそステータス、みたいな男子大学生5名がやってきて隣に、さらに向かいに座った若い女性に「カーテン閉めていいですか?」と聞かれる(浜名湖がピンチ……)、などの試練に合うことになりました。

しかし。私は。うなぎを。うなぎを食べるのです。と固い決意を持って、めちゃくちゃよい匂いのするうなぎ弁当をあけ、心なしか女性にじーっと見られてるような気がしつつも黙々と食したのでした。

 

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フォトジェニックな写真撮ってる余裕なし。そんなストレス耐性テストみたいな状況下でもだいぶうまかったので、このうなぎ弁当はとても美味しいのだと思います。

 

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浜名湖めっちゃ綺麗。

そのあとほどなくして、園児も大学生も女性も一斉に降りる駅があり、一気にまばらになってうなぎを食べるのに非常によい環境となりましたので、もし参考にする方がいれば、しばらく開けるのを我慢し人が少なくなるのを待つのをおすすめいたします。

 

途中でフツーツパーク駅を通過し、あ、そうだここにめちゃくちゃ長いエスカレーターあるんだった、と思いだすなどしたのですが、フルーツパークのエスカレーターはもう動いていないという情報がありますね、ならいっか(てきとうなマニア)。

天竜二俣駅で降りまして、次は秋野不矩美術館を目指します。

 

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ここも、駅からGoogle先生に導かれて向かう道のりがめっちゃローカル。

 

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そして最後にやっぱり坂をのぼる。

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こちらは、藤森照信先生の設計です。

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こうして吉生先生のあとに連続して来てみると、思想の違いをまざまざと見せつけられる感があります。

この日は、地元出身のアーティスト2名の特別展だったのですが、お名前からしても女性アーティストだと思っていたらお二人とも男性というのにびっくりするなど。ちょっと少女漫画っぽいテイストが入った感じの現代アートでした。秋野不矩さんは逆に男性だとばかり思っていたら女性でして。常設は人物中心の展示だったけれど、置いてあった作品集を見ていたらインドの建物などを描かれた作品がとてもよくて。それもまた、この建物の中で見たいなぁ。

 

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さて。天竜二俣もまた、豊田市とは思想が180度違うけれどめちゃくちゃ良いところなのです。Google先生ではなく、美術館前の道に出ていた案内マップに従うと、川の向こう側がメインストリートだということでしたので、そちらを通って帰ることにします。

このメインストリートがすごくて。


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うわー。いいところだー。

江戸東京たてもの園の昭和ストリートでは、「そういうことだけど、そういうことじゃないんだ、そういうのが好きなわけじゃないんだ」とすごく感じましたけれど、「こういうのが好きなの!」というのが全部説明できるのがここです。べつに意識してこうなったわけじゃないんだ感。大事に使われてる感。未だ現役で営業中感。この商店街を、部活帰りの中学生の集団が自転車でしゃーっと走って行ったりして、素敵な街だなぁと思ったわけです。観光客の身勝手な感動。

 

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でもやっぱり、いいよなぁ。

 

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よく見ると、ちゃんと向こう岸までの通路が作られている。よい水辺。

 

さて、天竜浜名湖鉄道に再び乗車しまして、掛川へ。終点につくちょっと手前でお仕事帰りの皆さんで満員に。このへん、ヤマハの工場がいっぱいあるんですね。皆さん掛川の改札を抜けてダッシュで階段をのぼっていくのでなんだろうと思ったら乗り換え時間が1分ぐらいしかないんでした。次の電車は20分後。OH。

本日の宿泊地は沼津です。

到着時刻が遅く、本日は夕食つきにしなかったのですが、目当ての駅弁屋さんがしまっていて少し途方に暮れ、まぁいいか、とファミリーマートでお酒とおつまみを買ってバスに乗り込みます。

 

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ものすごく「夜道をひた走る」という感じのするバス。

本日の宿は、国家公務員共済組合連合会沼津保養所というところ。

 

さて、#本日の散財 はすべて、豊田市美術館ミュージアムショップで買ってきたもの。

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世界・表層・時間

世界・表層・時間

 

悩みに悩んでこれ1冊にしぼった松江泰治さんの写真集。イズフォトミュージアムで行われた展覧会図録です。静岡だし、静岡をテーマにしたやつ買おう、と思ったのだけどよく考えたら買ったのは豊田市だし、載っている写真も半分以上は静岡以外だったけど。

 

torii

torii

 

こちらは、鳥居の写真集、なんですが、「日本以外の国にある鳥居」なんです。 考えたことなかったけれど、仏像と違って鳥居ってかなりある場所が限定されていて。どこにあるかというと、「かつて日本人の痕跡があったところ」なんですよね。台湾、韓国、それにロシア(樺太)が載ってるのですが。台湾では鳥居自体もたくさん残っているのに、韓国の場合は「かつて鳥居があったと言われている場所」でしかない、ということであったり、テーマ性がかなり強めの偏愛本です。

 

南極建築1957-2016 (LIXIL BOOKLET)

南極建築1957-2016 (LIXIL BOOKLET)

 

南極建築展の図録もこの日になぜか先行して買っていたのでした。日本の歴代の観測塔と、それに世界の観測塔の写真が載っています。「船に載せられる荷物の量が建物の形を制限する」というのがなんともかっこいい。

 

写真集見ながら、お酒を飲んで、お風呂入って。また明日の朝、きっと目の前に広がっている海を楽しみにして寝ましょう。

 

旅に出ると、Spottizmoの偉大さを実感します。ありがとうSpottizmo。